おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2016.06.05column

バラエティに富んだお客様

元々初対面の人と話すのが嫌いではないので、双方に余裕があれば会話を楽しんでいます。最近の印象に残った人から。

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5月29日。お二人は今年1月20日にも来館いただきました。左のジェニー・バーカーさんは、米国ケンタッキーから来日中で、現在同志社大学と京都外大で教えながら、アニメーションの研究をしておられます。この日は4度目の来館。もう顔なじみという感じ。仲良く立体写真を見ておられるのは、オラフ・モラーさん。ドイツ出身でフィンランドの大学で教えておられます。短編映画祭として有名なオーバーハウゼン映画祭のプログラマーもされている方。

お名前はオラフさん。自らディズニー映画「アナと雪の女王」のキャラクターとして人気のオラフだと、人参の鼻をジェスチャーで表現されたので、すぐにお名前を覚えました。前回は怒涛のアニメ特集などをご覧いただきましたが、今回もほかの復元したアニメ―ションやニュース映像も時間をかけて丹念にご覧いただきました。

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大きな体なのにとってもシャイで、記念撮影もご覧の通り。出身国が異なるお二人が知り合ったのは、イタリアの無声映画祭の会場だとか。ジェニーさんの教え子の同志社大学の学生さんも加わって、夕方まで熱心に勉強、濃い時間でした。「縁が嬉しい」と私が言いながらメモ紙に書いた「縁」の文字を土産に持って帰られました。

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この日は外国からのお客様が続きました。向かって右の4人は台湾からの一家。大黒柱の呂さんは、若かりし頃大阪芸大留学経験者。お子さんもすっかり大人になって。台湾観光を毎年のように勧められているのですが、飛行機が怖い私は、ずっと先延ばしのまま。台北映画祭を機に縁が広がっているので、そろそろ勇気を出して飛んでみようと思っています。

中央のピンク色のシャツを着た村田道明さんは、米国イエール大学で教鞭をとっておられます。6月25日に発表をしてくださる森末典子さんを良くご存知。共通の先生がアーロン教授。二人ともアーロン教授の薦めで、ミュージアムに足を運んでいただきました。25日の発表会にも来てくださるそうです。

カメラを首から下げた男性は、マンス・トンプソンさん。来日17年目のプロのカメラマン。茶道にも造詣が深く、この日は依頼された茶道の写真撮影のために来京。忙しい合い間をみて足を運んでいただけたのは、戦前の忍術映画研究のため。現在70本くらい収集し、資料整理中のリストは407本。ミュージアム所蔵映像を興味深くご覧いただきました。研究が進めば、ミュージアムで発表をしてほしいとお願いして、快諾いだたきました。

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そして、6月3日に来館いただいたのは、15~22歳まで河原町周辺の映画館の看板を描いていた井上優さん。ミュージアム周辺にかつてあった映画館「三条館」「三条大映」「日本座」、四条周辺の「大宮東映」「コマ劇場」「PCL」「ヒノデ館」などについて教えてもらいました。ずっと文字デザインの仕事をされていて、今は南座の年末恒例顔見世のまねきを書いておられます。看板屋をされていた親方であるおじさんが初代で、井上さんは四代目。まねき文字から始まって、ライフワークにしておられるフォントのデザインで話が盛り上がりました。デザイン文字は連れ合いも大好き。そういった目で見れば、今掲げているポスター「何が彼女をそうさせたか」の文字もおしゃれです。情報が今みたいに発達していない時代、看板によって、客の入りも大きく違ったことでしょう。

目から鱗だったのは、「昔の現場の人は残す意識がなかった」という言葉。来館者にいつもサイレント映画の残存率が低いことを説明するときに、「映画関係者には残す意識が低い」と残念な表情をしながら「困ったもんだ」という体で話していますが、看板も同様に残っていません。「それは当事者は頓着ないから。映画全盛期の時だから、次々仕事をこなすので精一杯。撮影が終わると当事者たちは全て捨てた。逆に残っていると次の仕事ができず邪魔になる」。「台本だって終われば破って捨てた」とかつて聞いたことがありますから、後の世の客観的な立場なら「もったいない」「貴重な資料なのに」などと言えますが、当時者の立場にたてば、案外そういうことなのかもしれません。後になって価値がでてくるのですが、その場面では、テキパキ段取りよく仕事をこなすのが良くできる人だったのでしょう。せめて家族なり、周辺の人が、こまめに整理保存していてくれたら、少しはアーカイブも捗ったでしょうが…。随分面白い話が聴けたので、またお会いしたいとラブコール。続きが書ける日も来ることでしょう。

無理をしても拠点を設けたからこそ、バラエティ豊かな人々との出会いがあります。

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