おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2016.06.21column

貴重なポスターをいただきました

一昨日も、あいにくの雨でした。そんな中、足を運んでくださった方々から素敵なプレゼントをいただきました。最初に「甘いもの」を手土産に3度目の来館をいただいたのは、大阪の永岡さん。前もってメールに書いてあった「甘いもの」は、まだ温かい姫路の銘菓「茣蓙候」。今川焼、回転焼と似てるようなお菓子。この日最後に来館いただいた学芸員資格取得のために見学に来られた龍谷大学の映画好き女子学生さんまで1個ずつ、嬉しく味わわせていただきました。

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これは、前回永岡さんが来館された時にいただいた大きなポスター。タイトルは「元禄十四年」、ご存知「忠臣蔵」をテーマにしたものですが、どうやら上映はされていないようです。時代劇の大スターの名前が並び、それだけでも凄いのですが、監督に稲垣浩さんと伊藤大輔さんの名前が連なっているのも面白いです。「無法松の一生」などの作品で知られる稲垣監督(1905~1980年)は、子役時代から映画界に入り、1922年伊藤監督の「女と海賊」を見て、時代劇に興味を持ち、伊藤映画研究所に、助監督として入り、伊藤監督からシナリオを学んだそうですから、普通なら「伊藤大輔」の名前の方が「稲垣浩」より上に書いてあっても良いようなものですが、このポスターでは逆になっているのが興味深いです。嵐寛寿郎、片岡千恵蔵、市川右太衛門、月形龍之介というのちの東映の大看板が並んだ作品ですが、稲垣監督は戦後東宝へ行きますから、1942年、日活、新興キネマと大都と合併し、大映になった当時のものかもしれません。戦争が激化し、企画崩れになったものかも。この幻の映画「元禄十四年」、どなたか経緯をご存知ならお教えください。

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そして、雨の中ご持参いただいたのが、京都市左京区一乗寺にあった「京一会館」のこのポスター。何年の8、9月のプログラムか明記していないのですが、夏目雅子さんと宮川一夫カメラマンが並んで写っているので、「瀬戸内少年野球団」が公開された1984年のものだろうと思います(初公開は6月23日)。淡路島出身の阿久悠さんの自伝的小説を原作に、篠田正浩監督、宮川カメラマンらによって映画化されました。その翌年9月11日に27歳の若さで夏目雅子さんは急性骨髄性白血病のため亡くなりました。美人薄命とはこのことだとその時思ったものです。ここに写る宮川先生は、私が知っている先生そのまま。にこやかな笑顔です。

この大きなポスターをいただいた日は連れ合いが不在でしたので、まだ本人は実見していません。永岡さんにも申しましたが、本人が見たなら、どんなに喜ぶだろうかと思います。

京一会館は京都が誇る名画座でした。ここに掲載されているプログラムを見ても、名作に混じってポルノもあったりして、何でもあり。京都新聞2016年4月27日夕刊連載「描かれた大学 そして今」⑦に阿奈井文彦「名画座時代-消えた映画館を探して」(2006年)を取上げ、京一会館を紹介しています。1960年3月、マーケットの2階に330席ほどの常設館として開館。低料金、ユニークな組み合わせのプログラムが京大、同志社、立命館などの学生の人気を集め、彼らの「カンカンガクガク朝まで喋って、そんなみんなの要望にこたえて、プログラムを組んだ」そうです。それから28年、マーケットの閉鎖に伴い1988年4月に閉館しました。自らの京一会館での体験を踏まえながら執筆した記者は、記事を「映画が学生らの共通の『教養』で、京一会館などが一つの『教室』であった時代は終わろうとしていた」で結んでいます。

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