おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2017.01.12column

「錦影絵」上演のご案内

親しくしている池田光惠・大阪芸術大学芸術計画学科教授(当団体正会員)から、1月26日公演の案内が届きました。

2017学内公演リーフレット01

2017学内公演リーフレット02

昨日早速ツイッターとフェイスブックで紹介したところ、交流があるイラストレーターの吉田稔美さんがシェアしてくださいました。そこに書かれた文言を引用しますと

「江戸時代に上方で錦影絵と呼ばれ、江戸では写し絵と呼ばれたそれは、今でいうスライドショーの元祖の西洋から伝わったマジックランタンやファンタスマゴリアなど、金属製の投影装置による幻燈が、何でも木でこしらえてしまう日本で独特の展開をしたものでした。

桐でつくられた投影機の<風呂>は軽く、レンズを嵌め、灯りを入れて、ガラスに描かれた種板を幕の裏側から拡大投影し、さらに何人かで動き回って、それぞれが絵を動かすようにして見せたもの(〈組上げ絵〉も上方では〈立版古〉と称していました)で、アニメーションの初期にもつながっています。やがて、活動写真など、映画の発展によって消えていった芸能でしたが、現代はその不思議で幻想的な魅力がふたたび見直されるときでしょう。」

リーフレット裏面に書いてありますが、「江戸写し絵」が上方に伝播する以前の寛政年間(1789~1801)には、すでに上方一帯に木製幻燈機芸能の形式が確立されていたと考えられています。今年は国産アニメーション誕生100周年ということで、様々な催しが各地で繰り広げられることと思いますが、その原点となる「錦影絵」の魅力を、もっともっと広く知ってもらいたいと願っています。

美濃和紙でこしらえた幕はとっても大きいものです。そして、その裏で演じる際用いる〈風呂〉等の装置も全て手作り。今回上演する『狐魄奇譚』も創作。昨年10月6~9日米国・ニューオーリンズで開催されたマジックランターン・ソサエティー・アメリカ&カナダの国際会議で、この作品を上演され、最高賞受賞の栄誉に輝きました。もの凄く辛抱強く、頑張り屋の彼女が学生さんたちと一生懸命努力したことが報われた瞬間だったろうと、自分のことのように嬉しく思っています。

公演会場は大阪芸術大学芸術情報センターです。お一人でも多くの方にご覧いただきたいです。

そして、これも昨日ツイッターとフェイスブックで紹介した当館新入りコレクション。紙でできた「紙芝居映写機」。種板には、日の丸を手にする子どもたちや兵隊さんも描かれています。ブリキ製でなく紙製ということから戦時中のものかもしれません。上から電球を下げて光源にしていたので、紙だから焼けるといっても高が知れていると考えたのでしょうか。でも映写機本体に何故かアルファベットで「kamisibai eishaki」と書いてあります。どなたかご存じありませんか?

と呼びかけましたら、凄いですね、早速返事がありました。

①紙芝居屋をしている人によれば、国策紙芝居をスライドにしたものではないかと。国策紙芝居はB4サイズの印刷紙芝居で、多くは16~20枚程度で1巻=1作品だったそうです。情報を寄せてくださった方は、確認しに来館いただけるそうなので、付随したいろんな話もお聞きできるのではないかと楽しみにしています。特に今も展示している戦前の映画館で掲示されていた手描きポスターについて。大きさはA3サイズなのですが、「紙芝居」との関係性はないのか等知りたいです。

②宮城県図書館の年報(平成17と18)によると同館所蔵の紙芝居資料は登録有形文化財(美術工芸品)になっていて、その中に、紙芝居映写機用スライド4巻(4タイトル、19枚)、紙芝居映写機1台が含まれているそうです。

ほかにもお気付きの方がおられましたら、ぜひ情報をお寄せください。

以上、投影して楽しんだ懐かしい文化のご紹介まで。

記事検索

最新記事

年別一覧

カテゴリー