おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2017.09.04column

イギリス土産の漫画本、そして国産「動く漫画」誕生100年の催し

一昨日、咋日と連れ合いの教え子が3人来館。生憎昨日は名古屋市中区大須2丁目にあるシアターカフェに招かれて、「ショートフィルムの文化的起源 戦前のおもちゃ映画・小型映画の魅力と歴史」というイベントに参加したため、頼りない私が対応することに。それぞれ神戸芸術工科大学、武蔵野美術大学、京都造形芸術大学で、漫画、映像、ゲームを教えておられます。卒業してからも訪ねてきてくださるのは、とても嬉しいことです。本人がいたなら、どれほど喜んだことだろうと思います。

さて、そのうちの一人で一昨日来館の東 義真さん(当団体正会員)から土産にイギリスの漫画本をいただきました。

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左がイギリスの漫画本。写真ではわかりにくいですが、しっかりした装丁の立派な本です。右は東さんの漫画本。夏にロンドンで開催された漫画大会に参加した折り、出展されたもの。

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これは先ほどのイギリスの漫画本を無作為に開いたページ。ほとんど漫画本を読まない素人の感想ですが、最初に思ったのは余りに立派な装丁に驚いたこと。次に文字がとっても多いこと。さっさと読み流せるようなものではありませんね。それから日本やアメリカと異なってコマの割り方が細かいこと。そしてコマから飛び出したりしているものが少なくて、コマ割りに忠実な印象を受けます。

アメリカのコミックは「スパイダーマン」「アイアンマン」などスーパーヒーローものが映画の題材になっていますが、イギリスのヒーローものはまだ日本で紹介されていないこともあり、珍しく思いました。東さんは「今はコミックといえばアメリカ、そして二番目が日本の劇画。イギリスとか他のコミックはまだ馴染みがないかもしれません」と話していました。

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そして、こちらは東さんの作品。どこをご覧に入れたら良いのかわからなかったので最初部分の2~3頁を写しました。彼オリジナルキャラクター、バーガスチャンが登場するお話で、この漫画大会に向けての作品なのでしょう。文字を多くしていますが、他のページなどではコマから大きくはみ出したりしてもっと自由。引き合いがあったそうですから、英国の人に彼の作品は好感を持って受け入れられたのでしょう。語学ができるのも強みですね。国際的に活躍して下さったら、私共も嬉しいです。

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漫画繋がりで、催しのご案内も。9月2日に始まったばかりの「にっぽんアニメーションことはじめ~『動く漫画』のパイオニアたち」が川崎市市民ミュージアムで12月3日まで開催されます。今年4月6日~7月2日に京都国際マンガミュージアムで開催したものに、4人のパイオニアたちの一人、下川凹天に関する資料を大幅に増やして展示。同館には下川の遺品がたくさん寄贈されていることから、貴重な肉筆原稿やスクラップなどを見ることができます。

また、10月14日~11月26には展示と連携して「スクリーンに甦る!アニメーション傑作選」も上映されます。貴重な初期短編アニメーション、劇場用アニメーション史上の傑作から選りすぐった作品、全10プログラムが楽しめます。他にも、10月22日(日)には、現存最古のアニメーション映画『なまくら刀』(1917)などの初期短編作品を片岡一郎さんの活弁と上屋安由美さんのピアノ演奏付きで上映し、続けてアニメーション史研究家二人による講演「アニメーション史を訪ねた男、100年を語る」もございます。

当館は、京都国際マンガミュージアムに引き続いて展示に協力させていただいていることもあり、お一人でも多くの方にご覧になっていただきたいと願っています。どうぞ、よろしくお願いいたします。

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