おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2016.07.05infomation

シネ・ヌ―ヴォの特集上映で、おもちゃ映画プログラムも

シネ・ヌーヴォAfps_ws2016_flyer_09のコピー7月15日(金)の祇園天幕映画祭を楽しんだ翌日は、大阪市西区九条のシネ・ヌ―ヴォへぜひどうぞ。片岡一郎弁士の活弁付で傾向映画の代表作『何が彼女をそうさせたか』(昭和5年2月6日公開)他が上映されます。5月22日におもちゃ映画ミュージアムで活弁・生演奏で上映した後も、「観たかった!」というお客様が何人もおられました。せっかくの機会ですから、どうぞお見逃しなく‼ 当日は上映後に、片岡さんと『映画探偵』『戦前日本SF映画創生期』の著者・高槻真樹さんの対談もございます。『怪電波の戦慄』の解説で、藤田まことの父親が出演しているという注目点が書かれていますが、水島道太郎ではなく、藤間林太郎が正しく、彼は、『何が彼女…』にも出演されています。さて、どの人か…お分かりになられますでしょうか。

5月の上映会に参加してくださった昭和女子大学の福田淳子准教授から、後日、川端康成が1930年4月に発表した「浅草」(『川端康成全集第26巻』所収、1982年、新潮社)にある「興業物の現状」という文章を教えていただきました。当時の浅草の興業館の様子が良くわかります。その一節に以下の文章があります。

…この頃常盤座で、藤森成吉氏原作の「何が彼女をさうさせたか」を四週間続映した。さうすると、日頃の剣劇映画の客の半ばは、学生や会社員、つまり知的階級と入れ替わってしまふ。しかし、子守娘が見物しながら泣いてゐる。小僧及労働者が叫ぶ。…

川端は、同年4月に公開された『踊る幻影』に対しても、浅草の観客は、タイトルに出た「監督、鈴木重吉」に賑やかに拍手している様子を記し、それは作品にではなく『何が彼女…』の監督としての鈴木氏に拍手しているとも綴っています。それだけ社会現象にもなった作品だということが、この一文からもうかがえます。

海の日の18日には、おもちゃ映画プログラムとして、『荒木又右衛門』と当館所蔵映画から選び抜いた作品の数々を上映。その後に高槻さんと、「映画探偵」の一人として取り上げられた当館館長の対談も予定されています。暑い中ですが、お運びいただければ幸いです。

 

 

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