おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2015.05.24infomation

開館記念講演会は、「京都と映画」というテーマで、大森一樹監督にお願いしました。

5月23日午後3時から、大森一樹監督をゲストに、第1回おもちゃ映画ミュージアム開館記念講演会を開催しました。京都府立医大生であった監督は、学生時代から映画にめざめて、自主製作を始め、高く評価されました。またシナリオ作家の登竜門というべき城戸賞を受賞し、その作品でメジャー・デビュー。撮影所での経験がなく、プロになった先鞭をつけました。自らの学生時代を生かしたとも思える医大生たちの日常をビビッドに描いた「ヒポクラテスたち」で本格的な映画監督として評価され、東映京都撮影所でも撮影されました。そういったつながりから「京都と映画」というテーマで講演をお願いしたのですが、京都を舞台にした作品は実際には京都で撮影されず、逆に京都で撮影した作品は、東京が舞台だったりと、意外な展開となりました。

言われてみれば、京都は時代劇と言われ、京都で撮影されながら、江戸の町が舞台であり、京都的な景観や生活感は出てきません。これが映画の特質でもあります。ただ、こちらからお願いしたテーマに沿って京都らしい作品として紹介されたのが「女優時代」というテレビ映画でした。乙羽信子さんがモデルで、新藤兼人監督のデビュー作となった「愛妻物語」を背景にし、映画界の内側を見せながら、京都での景観や生活感も活かした作品となっています。大森監督によれば「自分が作った中で一番京都らしいところが映った映画。自分の中では隠れた名作」。フィルムで撮影したネガが30年間イマジカウエストで保管されていることがわかり、国立近代美術館フィルムセンターで16㍉フィルムに復元され、昨年同センターで特集上映されました。今回上映されたのはそのデジタルリマスター版で、普段めったに見られない作品を上映しながら、随所で撮影秘話を紹介していただきました。

テレビ映画としてはたいへん本格的なドラマで、戦前戦後の風俗を緻密に描いたこの作品は、映画の勉強にもなります。その点では、映画を志す学生には最適な教材となります。大森監督は今大阪芸術大学映像学科の学科長として、後進の育成に励んでおられます。熱く語って戴いた大森監督に感謝いたします。

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この日は、同志社国際中学・高校放送部の学生たちが取材に来てくれ、館内での様子を撮影し、お客さんへのインタビューもしていました。同放送部は、このミュージアムが計画されていることが新聞に出て以来、たいへん興味をもってくれ、準備段階から取材してくれています。町家の工事が大幅に遅れた結果、実際の会場での取材はこの日が初めてとなりましたが、ちょうど大森監督の講演会とも重なり、大森監督にも熱心に質問していました。

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ミュージアムが開館してまだ1週間。準備期間がない中で、デジタルのプロジェクターやスクリーンも間に合わない状態で、大慌ての開催でしたが、京都インディーズ映画祭の主宰者である広瀬さんや映画修復をしている吉岡さんに助けて貰いながら、何とか開演時間に間に合いました。スクリーンも準備したものが「この町家には小さくて惜しい」という声が上がり、急遽近くの商店街に走り、布団屋さんで大きめのカバーを購入してにわか仕立てで対応。本来なら映画会としては許されない環境での映写でしたが、京町家での雰囲気もあり、監督から「おもちゃ映画ミュージアムらしくて良い」とお目溢しいただきました。友人たちも応援に駆け付けてくれ、仲間の思いに支えられてどうにか第1回目のイベントを終えることができました。帰りに「楽しかった!」という声を何人もの方から声かけをいただき、監督と握手して満面の笑みを浮かべて帰路につく人も。バタバタした第1回目のイベントでしたが、この日の経験を次に活かし、期待に応えられるよう頑張ります。

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