おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2016.11.28infomation

若手映画研究者・雑賀広海氏研究発表会「玩具映画としてのチャンバラ映画の受容~阪東妻三郎を中心に」

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6月25日の森末典子さん(イエール大学大学院映画学・東アジア言語文学学部博士課程)によるパテ・ベビー(9.5㎜)に関する発表会、7月9日の小川翔太さん(ノースカロライナ大学シャーロット校言語文化学部准教授)によるジョージ・イーストマン・ミュージアムでのナイトレート・ピクチャー・ショーの報告に続き、3人目の若手研究者、雑賀広海さん(京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程)による研究発表会を12月18日(日曜)に開催します。

6月29日、一人で留守番していた雨の水曜日、ふらりと来館。無口で物静かな彼でしたが、いろいろ話しかけているうちに5月28~29日に日本映画大学で開催された日本映画学会第42回全国大会で「連鎖する切腹ー三島由紀夫と残酷時代劇」のテーマで発表を終えたばかりだとわかりました。「チャンバラ映画を研究している」、それならばと3月5日に開催した下掲チラシをお見せして、阪妻で発表は如何かと提案しました。快く引き受けてくださり、この度、その成果を発表していただくことになった次第です。どうぞ、ご期待ください‼

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当館では阪東妻三郎だけでなく、昭和の戦前から戦後にかけて大活躍した七剣聖(阪妻のほかに大河内傳次郎 · 片岡千恵蔵 · 嵐寛寿郎 · 長谷川一夫 · 市川右太衛門・月形龍之介)のおもちゃ映画も所蔵しています。雑賀さんの演題「玩具映画としてのチャンバラ映画の受容~阪東妻三郎を中心に」に合わせて、竹田猪八郎さんが手描きされた戦前のポスター(A3版)も阪妻を主にした展示に替えました。展示替えは、10月1日からの小津安二郎と松竹蒲田のもの、10月19日からの嵐寛寿郎中心のものに続き、3回目です。各回50点ずつ展示していますので、これで150点を展示して紹介したことになります。

また、阪東妻三郎のお孫さんで俳優の田村幸士さんにお願いして、阪妻着用の印半纏をお借りして、18日限定で展示させていただくことになりました。こちらもどうぞお楽しみになさってください。

19日に開催した「懐かしの《鉄道映画》上映会」に参加して下さった東京の笹山さんの奥様は、女優・森静子さんの曾孫さんでした。上映会の時は、10月21日が嵐寛命日だったことに因み彼中心のポスター展開催中で、その中の1枚『鳴門秘帖』を見つけて、とても喜んでおられました。阪妻と森静子さんは多くの作品で共演され、名コンビと称えられるだけでなく、ロマンスの噂もあったそうです。今回のポスター展で二人の名前が並んだ作品を何枚も展示しています。

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 一昨日来館された林長二郎(後の長谷川一夫)ファンの岩本さんも、二人のロマンスの噂をご存知でした。森さんは1924年阪妻プロに入社後、『雄呂血』(1925年)や『尊王』(1926年)などで共演。1930年に松竹に移籍し、林長二郎とも『浪花かがみ』で共演。笹山さんがご覧になったこのポスターは、その後の寛プロ時代のものです。

できることなら12月18日の雑賀さんの発表会に、田村幸士さんはもとより、笹山夫妻にもお越しいただいて、長命だったひいおばあさまからお聞きになられた当時の映画界の様子などをお聞かせ願えれば嬉しいのですが…。

ともあれ、たくさんの皆様のご参加を心よりお待ちしております。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

 

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