おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2019.07.22infomation

8月3日トークイベント「没後20年映画キャメラマン宮川一夫の仕事とその美の領域」

8月7日は映画キャメラマン宮川一夫先生(1908-1999)の命日で、没後20年になります。昨年は2月25日が生誕110年ということで、当館でも記念イベントをしました。本当は2月にすれば良かったのですが、4月1日ドキュメンタリー映画『映画の天使』を監督された高岡 茂さんをお招きして、同作品を16㎜上映し、トークイベントを開催しました。その時の様子はこちらをご覧ください。岐阜県瑞浪市在住の元映画看板を描いておられた高木紀彦さんが描かれた宮川先生の作品手描きポスターも4月29日まで展示して、広くご覧いただきました。

同年4月には、ニューヨークのMoMA(近代美術館)、ジャパン・ソサエティ、フィルムフォーラムの3か所で、大規模な宮川一夫特集が組まれました。「Kazuo Miyagawa:Japan's Greatest Cinematographer」。

これは、2018年4月11日付けアメリカの有名なウォール・ストリート・ジャーナルに掲載された記事。一人のキャメラマンに特化して27作品がニューヨークで上映されるというのは、とりわけMoMAにとっては極めて異例なことで、世界の映画人に今も宮川先生の偉業が高く評価されてるからこそ実現したのでしょう。4月6~12日にフィルムフォーラムで、4月12~19日にMoMA、4月13~28日にジャパン・ソサエティで、1943年稲垣浩監督『無法松の一生』から1977年篠田正弘監督『はなれ瞽女おりん』まで、34年間にわたる代表作が上映されました。

他の作品は黒澤明監督『羅生門』(1950年)、溝口健二監督『赤線地帯』(1956年)、小津安二郎監督『浮草』(1959年)、池広一夫監督『座頭市千両首』(1964年)、市川崑監督『東京オリンピック』(1965年)、増村保造監督『刺青』(1966年)、森一生監督『ある殺し屋』(1967年)、三隅研次監督『鬼の棲む館』(1969年)など。個性豊かな著名な監督たちと組んで、多彩で洗練された撮影方法で支え、日本映画の黄金期形成に貢献されました。

さらに、10月12日の京都国際映画祭2018でも宮川一夫特集を組みました。上映したのは溝口健二監督『新・平家物語』(1955年)、森 一生監督『朱雀門』(1957年)、市川崑監督『ぼんち』(1960年)、森一生監督『ある殺し屋』(1967年)の4作品。

昨年暮れには、NHKのETV特集で「キャメラマンMIYAGAWAの奇跡」が放送されました。親交があった山田洋次監督や篠田正浩監督、是枝裕和監督、周防正行監督、大友啓史監督たち、アメリカのマーティン・スコセッシ監督、アメリカ・アカデミー協会会長でもある撮影監督ジョン・ベリーさんが、宮川カメラの神髄や多様性、華麗なカメラワークについて大いなる尊敬を込めて解説するドキュメンタリーでした。大映倒産後に大阪芸術大学で映画を志す若者たちに指導されたこともあり、芸大での番組撮影に連れ合いも少しばかり協力させてもらいました。

生誕110年という節目ということで、昨年はこのように取り上げていただき、国内外の映画ファンに、宮川先生について知ってもらう機会が続いたことを、公私にわたってお世話になった私共にとっては大変嬉しく思っています。とはいえ、91歳でお亡くなりになってもう既に20年が経とうとしています。年月の経過とともに人々の記憶から遠のいてしまうようになっては悲しい。繰り返し、宮川先生の偉業を伝えていくことが大切だと思い、ささやかですが8月3日に偲ぶ会を催します。

長い間、宮川先生の傍にいて、いろんなことを教えていただいたこともあり、3日は連れ合いが、「MIYAGAWAの奇跡」と呼ばれたカメラワークと撮影手法について、DVDで映像を確認しながら話しをします。参加費は入館料込み1000円で、学生さんと正会員の方は800円です。終了後に懇親会(500円)も予定していますので、想い出話をしながら、和やかな時をご一緒しましょう。どうぞ、気軽にお越しくださいませ。

お申し込みをお待ちしております‼

 

 

 

 

 

 

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