おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2021.08.04infomation

今日から、戦後76年、戦争パネル展「戦争の真実」を開催します‼

昨年夏に、企画展「『満州国』って、知っていますか?」をしたご縁で「京都原爆展を成功させる会」/長周新聞関西総局原爆展事務局の方と知り合いました。話がトントンと弾んで、この夏、長周新聞社が取り扱っておられる『原爆と大戦の真実』(下関原爆展事務局編集、2008年発行)に掲載された写真の中から、主に中国大陸や南太平洋地域に関するものをお借りして、パネル展示します。この団体の京都での活動は「京都原爆展を成功させる会」です。

その方のご紹介でアジア南太平洋友好協会事務局をなさっている「だるま寺」(法輪寺)ご住職とも知り合い、同寺に保存されている南太平洋方面戦没者遺品収集品の中から、小銃やヘルメット、水筒、飯盒などもお借りしました。

「京都原爆展を成功させる会」配布資料によれば、臨済宗妙心寺派元管長で花園大学の学長もされた山田無文老師(1900-1988)らは、1969年から戦没者の遺骨収集と慰霊の活動を始められました。戦争中無文老師は戦場を慰問して回られましたが、南方では餓死や病死で亡くなった方が多く、「これで仏の心か」と責任を感じておられたそうです。敗戦後、ニューギニアで父を亡くした遺族から「眠っている遺骨も収集したい。何とか弔うことができたら」という相談を受けた折り、「(慰霊の)石碑を建てるだけではいかん。供養するために俺が一緒に行こう」と言われたことが発端となって、1969年に南太平洋友好協会が発足。ニューギニアやソロモン諸島、ガダルカナル、サイパン、硫黄島、ビルマと慰霊の旅を続けられました。

「遺骨は拾えるが、血肉は拾えない。死んだ兵隊の無念の思いは救えない。後に残った我々が戦争という愚かな行為を二度とさせないということである。それが本当の供養になる。犠牲者の供養だけでなく、現地の人々に戦争で国土を荒らし犠牲を負わせたお詫びをし、友好親善、文化交流をして復興に協力していく」との無文老師の心を受け継いで、アジア南太平洋友好協会は、今もノートや医薬品を届けたり、交換留学などをされているそうです。

錆びていますが、恐らく小銃だろうと思います。

これも小銃なのでしょうか?おわかりの方がおられましたら、ぜひお教えください。とても重いです。食糧も、水も、医薬品もなく、お腹を空かせてこうした重いものを持ち歩きながらの行軍は、想像しても過酷です。

7月25日付け京都新聞1面コラム「凡語」で、私どもの目下の取組みを紹介していただきました。その日中戦争を記録した映像のそれぞれの一場面も掲示しています。この日中戦争に従軍し、1938年9月17日午前7時、満28歳の若さで戦病死した山中貞雄監督の死を悼み、友人の小津安二郎監督が揮毫した「山中貞雄之碑」拓本軸も展示しています。

年々戦争体験者が少なくなっていますが、新聞紙面で紹介された貴重な体験談のスクラップなども置いていますので、ぜひページを繰ってお読みいただければと思います。

今朝の京都新聞催し案内欄で紹介していただきました。ここにもありますように、展覧会期間中は、大阪芸大映像学科卒の小原浩靖監督のドキュメンタリー映画『日本人の忘れもの フィリピンと中国の残留邦人』を毎日14時から上映します(入館料のみ必要)。第26回平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞、第38回日本映画復興賞奨励賞受賞作で、ナレーターの加賀美幸子さんの声がとても良いです。本来は98分なのですが、大学の授業でも上映できるよう用意された42分版でご覧頂きます。

映画の内容をより深く理解していただくための公式ガイドブックが游学社から出ているほか、この映画のプロデューサーで弁護士の河合弘之さんとNPO法人フィリピン日系人リーガルサポートセンター事務局長の猪俣典弘さんが執筆された『ハポンを取り戻す フィリピン残留日本人の戦争と国籍回復』も「ころから」から発行されています。

戦後、フィリピンの人々から「ハポン=日本人」と憎まれた残留日本人たちは、無国籍のまま教育を受ける機会も得られず、貧しい暮らしを強いられてきました。その数は現在でも千人を超えるとされています。苦難の時を経て高齢になった今、国籍回復を望んでいますが、今もまだ置き去りにされたままです。その現状を多くの方に知ってもらいたいと企画しました。ぜひこの機会にご覧頂きたいです。

昨年の催しでも、多くの方から「満州」での暮らしと大変だった引揚げの様子をお聞きしました。今年も展示をご覧になりながら、貴重な体験談をお聞きできたらと願っています。二度と同じ過ちを繰り返すことがないよう、戦争の悲惨さを語り継ぐことが大切だと思います。

 

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