おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2016.02.06infomation

羽鳥隆英さん著『日本映画の大衆的想像力 《幕末》と《股旅》の相関史』

 

スキャン_20160205 (4)昨日届いた新刊本。初版発行は2月20日と書いてあり、できたてのホヤホヤ。著者の羽鳥隆英さんからご恵贈いただきました。日頃から、ミュージアム運営に何かと手助けいただいている若き日本映画研究者。いつも素敵な「羽鳥スマイル」で癒してくださるので、気さくに話しかけていましたが、198ペーに及ぶ労作を繰りながら、「やはり研究者は凄いなぁ‼」と圧倒され、今後は接する態度を改めなくてはならないのかしら?と心配になるくらい。どう、凄いか‼ は、ぜひご自分の目でお確かめください。

目次は以下の通り。

序 章 二組の母子の絆 長谷川伸『瞼の母』と『相楽総三とその同志』

第一章 恨みは長し六〇年 昭和初年の幕末映画を巡るメロドラマ的想像力

第二章 生れ故郷の『沓掛小唄』 股旅映画の誕生と一九二九年の日本映画史

第三章 箱詰された孤独 稲垣浩と一五年戦争下の幕末映画の時間構造

第四章 運命《線》上に踊る女と男 マキノ雅弘『いれずみ半太郎』分析

第五章 進行相の結論 山田洋次の海坂藩三部作と幕末映画の二一世紀

ここでは、裏カバーの写真を掲載していませんが、表カバーともども映画『一殺多生剣』(1929<昭和4>年)。良い装丁ですね(使用している写真は、早稲田大学演劇博物館所蔵)。この作品は、伊藤大輔監督の傾向映画として知られる時代劇ですが、プリントが既に紛失し、長く「幻の映画」とされていました。ところが、その一部がネットオークションで売られているのを日本映画研究者でコレクターの牧由尚さんが見つけて落札。劣化が進んでいたのを、当館館長がイマジカウェスト技術陣と工夫を重ねてなんとか修復し、2012年の第8回京都映画祭で復元後のプレミア上映をしました。今年1月2~9日にも、ラピュタ阿佐ヶ谷で「映画探偵の映画たち―失われ探し当てられた名作・怪作・珍作」のひとつとして上映されました。同企画は2月27日まで開催中(連日10時半から)です。お近くの方は、ぜひとも足をお運びください。

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