おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2024.07.01infomation

永本ツカサコレクション展「団扇を彩る銀幕のスターたち」

今日から7月。1か月にわたって行われる祇園祭が幕開けをしました。早速、前祭で先頭を行く長刀鉾のお稚児さんが八坂神社にお参りして「お千度の儀」に臨み、祭りの無事を祈りました。蒸し暑い京都の夏本番を迎えます。

見た目だけでも涼んでもらおうと珍しい団扇の展覧会を致します。東京の永本ツカサさんがこれまで集めてこられた団扇約150本をお借りしてご覧にいれます。団扇は紙でできた消耗品ですので、季節の移ろい、年月とともに捨てられるのが常ですが、こうして慈しんで集めて下さったおかげで当時の人気俳優さんの様子や世間の様子も窺い知ることが出来ましょう。

先日来、描かれているのは誰か特定作業をしているのですが、中には「誰?」というのもあって、困っています。どうぞお越しになって、どなたかお教えくださいませ。そういったお楽しみコーナーも設けます。圧倒的に女優さんが多いのですが、鶴田浩二、市川雷蔵、中村錦之助、石原裕次郎が描かれた団扇もあります。

永本さんによれば、戦前からもこうしたスターが描かれた団扇はあり、時代劇黄金期には、白黒写真や漫画化された俳優の団扇もあったようです。紙という脆い素材というだけでなく、戦火で燃えて残っていない残念な面もあります。テレビが登場して以降は映画俳優だけでなくテレビのアイドルの団扇も登場し、時代の特色が反映したアイテムとなっています。

永本さんは「メディアとしての着物」を主宰され、珍しい着物の収集とそこに描かれている情報を読み解いて、風俗史としてブログで発信されています。団扇についても紙広告の変遷を調べて書いておられますので、ぜひこちらをクリックしてご覧下さい。http://mylifeworkkimono.seesaa.net/

永本さんとは、今年1月5日に初めてお会いしました。

早稲田大学名誉教授草原真知子先生(上掲写真左)の御協力で、1月5日から3月3日まで「友禅染めの着物で“映画”をまとう~初期映画と染織に尽力した稲畑勝太郎にも触れて~」展を開催し、その初日にメディア考古学の第一人者エルキ・フータモUCLA教授をお迎えしてトークイベントをしました。その時に飛び入りで参加された永本さん(上掲写真右)は、急いで持参された映画に関する模様を描いた珍しい着物を写真のように広げて見せて下さいました。その折のことはこちらで書いていますが、そのコレクションの素晴らしさに皆さん圧倒されました。日本で最初に面白柄着物を集められた方のようで、永本さんのご協力も得て、この分野の研究が一層進むことを同席した皆さん期待されたことでしょう。

そのご縁で何度かやり取りをしている中で、永本さんの方から今回の団扇展を提案いただき、ありがたいことにコレクションをお借りして初披露できることになりました。竹に切れ目を入れて差し込むとか、展示方法もご提案いただいたのですが、木工作業が得意な連れ合いが団扇掛けを手作りしました。その努力もぜひご覧頂きたいです。

2か月間にわたってご覧頂きますが、期間中に下記のイベントをしますので、来場の際はお気を付けくださいませ。

☆8月18日(日)=映画『沈黙の50年~国から子どもをつくってはいけないと言われた人たち~』を上映します。終日、一般見学はお休みします。

☆9月7日(土)=14時から「チャップリン短編映画大会」をしますので、通常見学は12時半で終了します。

☆9月21日(土)=14時から「初期の動画装置“ミュートスコープ”を再生してみよう!」をしますので、通常見学は12時半で終了します。

☆9月28日(土)=14時から榎本健一生誕120年、笠置シヅ子生誕110年「秋のSPレコードを聴く会」THORENS PLESTIGEで聴く名曲レコードをしますので、通常見学は12時半で終了します。

以上です。もしもお手元にこうした懐かしい銀幕のスターを描いた着物や帯、団扇などをお持ちでしたら、ぜひ見せて頂けたら嬉しいです‼

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