「京都ニュース」No.5 昭和31(1956)年
〇 延暦寺焼く
〇 西陣パレード
〇 開通式二つ 市電鴨川線、国鉄米原-西明石
〇 文化観光施設税
〇 スケートの妙味
〇 時代祭
10月11日、午前3時40分頃、比叡山延暦寺境内大講堂から失火、発見が遅れたのと、山頂のために交通の便が悪く、火はたちまち燃え広がり、大講堂及び付近の鐘撞き堂の重要文化財など、6棟・270坪を焼き、6時過ぎ、ようやく鎮火しました。このため、大講堂内に安置してあった重要文化財に指定されている多数の仏像を失いました。原因は今のところはっきりとしていませんが、何はともあれ、数多くの文化財を持つ京都市民としても、心しなければならないことでしょう。
去る9月に審査会を行い、約300名の内から選んだミス・ミセス西陣の発表会とカーニバルが、10 月7日、市内に繰り広げられました。
西陣織物会館前をスタートした約50台の宣伝車は、新広報車「白鳩号」を先頭に、千本通、堀川通、御池通、河原町通などを終日巡行しました。
その夜、円山公園音楽堂では、ミス・ミセスの発表を兼ねたファッションショーが数千の観衆の前に開催されました。関係者の挨拶の後、カシマラッキー(?)氏の軽妙な司会でアトラクションを上演、続いて各社が自慢の作品をまとった、ミス・ミセス西陣たちが登場、スポットライトにくっきり浮かび上がった着物の素晴らしい見本(?)には、この日の観衆を魅了しました。
昨年暮れから工事中の市電下鴨線「河原町今出川~洛北高校前」の新設工事はこのほど完成、12日、葵橋西詰で開通式が行われました。午前10時に、関係者や日の丸を持った幼稚園児を満載した電車4両が発車、沿道市民喜びのうちに洛北高校前までの試運転を行いました。
また、同じ日に京都市民待望の国鉄電化工事「米原~西明石」間が完成、ショーナン(?)型電車が招待者・報道陣を乗せて大阪を9時33分発車、10時7分、そのスマートな姿を京都駅に現しました。駅では、消防局ブラスバンドが華々しく出迎え、美しいお嬢さん方から花束が贈られ、一路、米原に向かいました。この二つの開通式で京都市も一段と便利になったわけです。
全国的に話題を呼んだ京都市の文化観光施設税は、13日から試行の運びに至りました。この日、長い間門を閉ざしていた平安神宮神殿(?)も久しぶりに市民にお目見えしました。その他協力各社にも準備を完了。
これらの文化観光施設税は、文化財の保護、観光道路の整備など、私たちの京都を明るく美しくするために使用されます。
秋もようやく深まり、涼風が吹き始めると、スケートファンはもうじっとしておられません。今日はスケートの面白さを皆さんと一緒に覗いてみましょう。これは俗に真鍮磨きといわれるごく初歩の人々です。この人々も間もなく流れに沿って回れるようになってきました。
特に子ども達は上達が早く、このフィギア練習中のお嬢さんは、まだ1年ほどの経験しかありません。更に音楽の乗って美しい曲線を描くダンシング・スケートと、アマチュアもここまでくれば見事なものです。また、ホイッスル●●氷上を流星のようなスピードで交錯するアイスホッケーは、スポーツの王者とも言えます…(欠落)
シーズン最後を飾る京都市民体育祭は、京都市並びに京都市教育委員会の主催で、18日、西京極グランドで行われました。午前9時開会、各学区はプラカードを先頭に、堂々入場しました。レースに先立って婦人会員のフォークダンスと民謡踊りがあり、10時30分、リレーカーニバル、男子800mリレーから熱戦が開始されました。
午後になっていよいよ決勝レースです。まず男子800mのリレーには、シュウトク、リッキョウ、●●ソンが、女子400mリレーには、乾(いぬい)、下鴨、修学院が、混合800mリレーには、コウトク、リッショウ、乾の各学区が入選しました。
●●大会副委員長から、優勝杯を受ける各代表です。