「京都ニュース」No.0 昭和31(1956)年
「京都ニュース」を当研究所(おもちゃ映画ミュージアム)のホームページに立ちあげました。
なぜ、私たちが「京都ニュース」について、その保存と活用に関心を持ち、また積極的に活動を行っているかついては、これまでも〔新着情報〕や〔スタッフ・ブログ〕でも説明しておりますので、ご理解いただけると思いますが、もう一度目を通していただきたいと思います。
〔新着情報〕
2017.09.10 「京都ニュース」の保存と活用について―ご支援をお願いいたします!
〔スタッフ・ブログ〕
2017.12.11 「京都ニュース」の保存と活用について掲載していただきました(/blog/column/6369.html)
2018.09.18 (「京都ニュース」の保存と活用について発表報告・第13回「映画の復元と保存に関するワークショップ」(2018.8.26)(/blog/column/8394.html)
京都市“みんなごと”のまちづくり推進事業(https://tsukuru-kyoto.net/bank/234-2/)
これらの報告を見ていただければ、現状をご理解いただけると思いますが、「京都ニュース」は1956(昭和31)年から1994(平成6)年まで、京都市広報局が製作し、市中の映画館で上映されてきましたが、製作されて60年以上を経過し、その映像は文化財的な価値が生まれています。市民生活や都市開発、それに伴う景観の変化、祭事や福祉などのトピックもあり、世相的にも、学術的にも貴重な映像であり、京都市民の文化遺産だと考えるからです。
本ホームページにコーナーをつくり、具体的な内容と画像を見ていただくことで、その重要さを知っていただきたいと思っています。何よりも、「京都ニュース」の内容を知っていただく中で、まだビデオ化もデジタル化もされず、多くの映像が経年劣化を起こし、失われかねない状況にあることを知っていただきたいのです。
京都市でも、歴史資料館地下に保管されていた35mmフィルム原版が、形状変化や剥離などの経年劣化を起こしていることを知り、これらネガ原版を国立映画アーカイブ(旧・東京国立近代美術館フィルムセンター)の専用保管庫に保存すべく、寄贈を考えています。
受け入れてもらうためには、そのフィルムの状態調査が必要で、指定されたラボに委託し、調査してもらうことになりました。
適切なフィルム保管庫を持たない京都市としては、最も適切な対応とも考えられますが、国に寄贈されると、国有財産になり、京都市民の財産は失われてしまいます。そこで、寄贈されるまでにデジタル化を急ぎ、その他のすべての「京都ニュース」を救いたいと考えています。
ただ見ていただける画像は、ビデオ化された初期のものに限定していますので、画像だけでなく、フィルム劣化の状況や内容、進捗状況についても、このホームページを通じて報告して行きたいと考えています。
これまでの調査や活動に関しては、京都市は予算化していない関係もあり、また具体的な内容調査やデジタル化に関してもまだまだ進んでいません。
内容調査については、これまで、また、これからもボランティアで行うつもりですが、映像をデジタル化して京都市民の文化財産として保管することまでは費用的にも難しく、皆様の応援により、資金援助をお願いしなければなりません。現在、35mmネガ原版457本(京都市歴史資料館)と「京都ニュース』を使った記録映画のフィルムが相当数あります。また、保存委託された立命館大学アートリサーチセンターの保管庫には、その同数程度の16mmポジ(上映用)フィルムが残っています。
これまでの調査結果、全製作本数は、244本。その中でビデオ化された映像として公開できるのは70本だけで、まだデジタル化されていない作品がほとんどです。特に初期のものはすでに劣化し、永久に失われています。
「京都ニュース」の重要さを皆様に知っていただき、その反響によって京都の企業さんや市民の皆様の寄付、応援によって、また京都市でも予算化してくれることで、少しづつでも「映像の文化財」である貴重な映像たちを公開できることを願っています。
なお、このホームページでは静止画像だけですが、動画については、これからも京都国際映画祭や祇園天幕映画祭、京まちなか映画祭などで上映公開して行きたいと考えていますので、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。