おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2017.04.15infomation

西岡りき氏から「タイトル・デザインの革命児 ソール・バスとその時代」のレポートが届きました

昨年12月23日と今年3月18日の2回にわたって研究発表をしていただいたイラストレーター西岡りき氏から、レポートが届きましたので、早速掲載します。

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昨年1223の続編として『ソール・バスとその時代part2』の研究発表をさせて頂きました。

前回は時間の都合で1/3程度しか紹介できませんでしたが、今回はタップリと3間半(途中20分程の休憩)かけて多くのタイトルを紹介することができました。

大変マニアックな企画であるにもかかわらず、熱心なバスファンの皆様に数多くご来館頂きました。ありがとうございます。

最年長は84歳の男性で、まだビデオなどない時代に足繁く映画館に通い、スクリーンの画面を撮影されたというアルバムをご持参頂きました。モノクロではありますが、とても確かな写真技術でピントのクリアさに驚嘆いたしました。

ソール・バスは54本の映画タイトルを製作しています。後年のマーチン・スコセッシ映画の中にはとてもタイトル部分が長いものがあり、とても全てを紹介するという訳にはいきませんでした。また、スコセッシ作品の多くがソフト化されているということから不本意ながら割愛させて頂いたものが多くあったのが心残りです。

今回、紹介上映しましたタイトルは以下の通りです。バスが最も輝いていた5060年代の作品は日本未公開、未ソフト化を含め全て上映しました。

『カルメン』1954、THE RACERS1955、『もず』1955、『THE BIG KNIFE』(悪徳)1955、『黄金の腕』1955、『STORM CENTER1956、『攻撃』1956、『八十日間世界一周』1956、『暴力波止場』1957、『THE YOUNG STRENGER1957、『SAINT JOAN』(聖女ジャンヌ・ダルク)1957、『誇りと情熱』1957、『悲しみよこんにちは』1958、『カウボーイ』1958、『めまい』1958、『大いなる西部』1958、『北北西に進路を取れ』1958、『或る殺人』1959、『サイコ』1960、『オーシャンと11人の仲間』1960、『スパルタカス』1960、『栄光への脱出』1960、『よろめき珍道中』1960、『ウエスト・サイド物語』1961、『傷だらけの愛』1961、『野望の系列』1962、『暗殺5121962、『荒野を歩け』1962、『おかしなおかしなおかしな世界』1963、『枢機卿』1963、『勝利者』1963、『バニー・レイクは行方不明』1965、『セコンド』1966、『グランプリ』1966、『ザッツ・エンターテインメントpart21976、『ビッグ』1988、『敦煌』1988、『ローズ家の戦争』1989、『エイジ・オブ・イノセンス 汚れなき情事』1993、『映画誕生100 アメリカ編』1995

また、前回ご質問のありました「〜その時代(いわゆるミッド・センチュリー)」に、バスに刺激されてタイトル制作を手掛けたアーチストの作品も、時間の許す範囲で紹介させて頂きました。タイトルとアーチスト名は以下の通りです。

『荒馬と女』(ジョージ・ネルソン)、 『ポランスキーの吸血鬼』(アンドレ・フランソワ)、 『シャレード』、『007 ゴールド・フィンガー』(モーリス・ビンダー) 、『パリの恋人』(リチャード・アヴェドン)、 『鬼婆』(題字:岡本太郎)、 『昼下がりの情事』(デザイン:レイ・イームズ)、『素晴らしきヒコーキ野郎』(イラスト:ロナルド・サール)、『ピンクパンサー3』、『遥かなる戦場』(含本編内アニメーション:リチャード・ウイリアムズ)

極めてマニアックな「映画タイトル」の世界ではありますが、個人的にはアカデミー賞の部門賞に入れてもいいのではないかと思うほど、アニメーションを中心に近年優れたタイトル・シークェンスが多くなったように感じます。

機会があれば、ソール・バス以降の素晴らしいタイトル作品を、いつかご紹介したいと思っている次第です。

西岡りき

……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………ソール・バスPART 2A - コピー

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当日のチラシと写真を再掲します。

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マイクを手に熱く語る西岡りき氏。

DSC09017 (3)

これは、12月23日の集合写真。

DSC00270 (2)

そして、3月18日の集合写真です。前列中央の男性が、レポートに登場するこの日最年長の佐竹保雄さん。その人生の過ごし方に学ぶことが多かったので、ブログで書きました。良ければ併せてお読みいただければ幸いです。

ご多忙のところ参加いただきました皆様、そして発表してくださった西岡様、本当にありがとうございました。心から御礼申し上げます。

 

 

 

 

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