おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2018.10.02infomation

イタリアのポルデノーネ無声映画祭で、10月12日『突貫小僧』上映‼

イタリアの第37回ポルデノ—ネ無声映画祭(Le Giornate Del Cinema Muto)2018 で、2015年当館に寄贈されたフィルムの中から見つかった小津安二郎監督『突貫小僧』(最長版)が10月12日14時半、 Cinema Verdiでヨーロピアン・プレミアムとなります。そのプログラムが昨日ネット公開されたことを、尽力して下さったアメリカのジョアン・ベルナルディ・ロチェスター大学教授(当団体正会員)から知らせを受けて知りました。

彼女がFacebookで紹介してくれた記事を下記に。

If you will be at the Le Giornate del Cinema Muto next week, catch Yasujiro Ozu's "Tokkan Kozo," courtesy of Kyoto's TOY FILM MUSEUM (Yoneo Ota, Fumiyo Ota) Friday Oct. 12 2:30 pm Cinema Verdi. From a 9.5 Pathè Baby print. (DCP University of Rochester River Campus Libraries Digital Scholarship Lab. Digital transfer, IMAGICA West) Thanks to Josh Romphf Clara Auclair for expert DCP work!

 

『突貫小僧』は1929年に劇場公開された作品ですが、今回上映されるのは、その作品を家庭用に編集し直したパテ・ベビー(9.5㎜)版。このフィルムには、これまで保存されていたフィルムに欠けていたタイトルや、子どもたちのじゃんけんシーン、「長閑な春の一日」というオリジナル字幕などが新たに確認されたことから、世界発信のニュースとなって注目を集め、2016年10月の京都国際映画祭で初披露しました。

その後、東京などでも上映されていますが、新しいところでは今年8月30日~9月2日に開催された「International Silent Film Festival MANILA」で上映されました。こちらについては、パンフレットが届いているのですが、NHKマニラ支局が取材した映像が近日放送される見込みですので、日を改めて紹介させていただきます。

実は、昨年のポルデノーネ無声映画祭で、ワールド・プレミアを計画されていたのですが、9.5㎜フィルムからのデジタル化で、ブルーレイでしか用意できなかったため上映できませんでした。ポルデノーネでは、35㎜フィルムかDCP(デジタル・シネマ・パッケージ)上映が条件になっていて、ブルーレイ上映ができなかったのです。そこで、ロチェスター大学の皆さんによってDCP化していただき、今回上映が可能になりました。インターナショナル・プレミアはマニラになりましたが、無声映画を愛する世界の人々に、この作品をご覧いただけることをとても光栄に思っています。

ジョアンさんのFacebookの記事に私は、以下に書き込みました。

「上映に際して、記事を書いてくださったジョアンさんを始め、多くの人々のご尽力を賜りました。2015年春に九州の篤志家から寄贈いただいた1作品が、こうして修復され、世界の人々に楽しんでいただけることを本当に嬉しく思っています。丁度京都国際映画祭と重なることもあって、直接観にいくことは叶いませんが、後に届くジョアンさんからの写真を楽しみに待っております。関わってくださった皆様、本当にありがとうございます。心から御礼を申し上げます

縁あって受け継ぐことになった映像も含むモノたちは、活かしてこそ価値があります。これからもこうした活動を続けていくことで、まだどこかに眠っているかもしれない貴重な映像に気付いてくだされば良いなぁと思いながら書きました。

 

 

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