おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2019.03.27infomation

依田義賢生誕110年記念研究発表と上映会のご案内

4月14日は私共の恩師・依田義賢先生生誕110年の節目になります。これを記念して上掲催しをします。なにぶん実施日まで時間がないので、お知り合いにもご紹介いただけますとありがたいです。もちろん皆様方ご自身もご多忙とは存じますが、万障繰り合わせの上、ぜひともお越しくださいませ。

当日研究発表をしていただく大津一瑯さんは、『忍者武芸帖 百地三太夫』(1980年東映、鈴木則文監督)や『激動の1750日』(1990年東映、中島貞夫監督)などのシナリオを手掛けられ、依田先生が立ち上げた大阪芸術大学映像学科で3年前まで指導されていました。同じシナリオ作家としての立場から、依田先生の代表作『近松物語』を例にとりあげて、「依田義賢 人とシナリオ」の題でお話いただきます。

今回の催しに際し、一番最初に浮かんだのが『京都の障壁画』(1965年)上映でした。2015年の開館前に、私はこの作品の16㎜が手元にあることを知りました。依田先生が大阪芸大映像学科の授業に参考になればと連れ合いに手渡して下さったものでした。フィルムは、既に劣化が始まっていたこともあり、デジタル化していました。依田先生が脚本と演出を手掛けられ、監修は土居次義さんと林屋辰三郎さん。記録されている障壁画は、真珠庵、聚光院、大仙院、大覚寺、大徳寺、智積院、天球院、南禅寺、二条城、西本願寺、妙蓮寺、養源院、霊雲院と著名な社寺ばかりです。

京都府教育委員会の企画で制作されているので、16㎜オリジナルが府に残っているか、早速知り会いの府文化財保護課職員に問い合わせました。4年前のことです。同時に私も当時の京都府立総合資料館、京都府文化博物館、京都府立図書館などにも尋ねました。尋ねた先から貰った「府内ライブラリー一覧」には①京都市視聴覚センター②舞鶴市公立小中学校フィルムライブラリー③福知山市視聴覚教育ライブラリー④宇治市視聴覚ライブラリー⑤綾部市視聴覚教育ライブラリー⑥亀岡市視聴覚ライブラリーが載っていて、当時と確認ができていなかった2か所については今日保存されていないか問い合わせましたが、残念ながらどこにも残っていませんでした。

制作した各務プロ(現・カガミプロ)社長さんによれば当時はプリントでの納品で、プリントを何本焼いたかはわからないそうです。京都府教育委員会の企画で制作されたのは、何も『京都の障壁画』だけではなく、チラシに載せましたように『近世文化』『平安文化』『東山文化』『京都の庭園』とこの『京都の障壁画』の5作品。いずれも依田先生が脚本と演出を担当されました。この度の上映に際し、いずれの作品も残っていないことがわかり、とても残念に思っています。せめてDVDにして残しておいて下さったらと思わずにはおれません。

4年前に尋ねた府文化財保護課の職員さんは、当時「DVDを見せて欲しい」と要望されましたので「要返却」としてお送りしたのですが、今年2月6日にメールした返事に「画像を提供いただきまして、その節はありがとうございました」と書いてあったので「おやっ」と思いました。6日の要件は「5作品を制作することになった背景など、あるいは写っている障壁画についてどなたか相応しい人にお話をして貰えないか、紹介して欲しい」という依頼でしたが、未だ連絡がとれていません。

さて、依田先生と言えば、溝口健二作品のシナリオをイメージしますが、商業映画だけでなくテレビ映画や文化映画も手掛けておられました。その一つに京都市文化功労者記録保存事業としてのインタビュー映像『菊寿の会』もありました。こちらは全26作品のうち、第25部だけが欠落していましたが残り25作品がDVDとして京都芸術センターで保存されていました。カガミプロ社長によれば「デジべで納品したあとでDVDにされたのかも…」ということでした。14日は『菊寿の会』の中から、市文化功労者受賞者である依田先生が自らを語る映像(約10分)をご覧いただきます。さらにNHK番組『私の自叙伝』(1979年)もご覧いただく予定ですので、生誕110年を記念して、依田先生一色の特別上映会となります。

終了後には懇親会もございますので、一緒に思い出を語りながら賑やかなお祝いの会にしましょう‼ たくさんの皆さまからのお申し込みを心よりお待ちしております‼

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