2019.10.02infomation
1日付け京都新聞と朝日新聞に、京都国際映画祭2019について大きく載りました‼
今年は「日本映画の父」牧野省三の没後90年ということで、サイレント/クラシック部門として、牧野省三特集を提案しました。中でも、10月20日14時半、京都市東山区の祇園花月で牧野監督が総指揮を努め、時代劇スター阪東妻三郎が主演を努めた『雄呂血』(1925年、アイキャッチ画像はその一部)を、現役最年長の井上陽一さんの活弁付きで上映されるのが目玉です。演奏は活動写真和洋合奏団。阪妻の躍動感あふれる演技は、それまでの剣戟映画の様相を一変させ、“日本映画史上最高のチャンバラ映画”とも評されています。『雄呂血』上映後に中島貞夫監督演出による東映剣会と吉本ちゃんばらパフォーマーによる「没後90年牧野省三の功績を偲ぶ」殺陣のショーもございます。
私どもが今の京町家を拠点に選んだ理由の一つに、かつて二条城の傍にあった京都で最初に設けられた「横田商会二条城撮影所」に近いこともありました。その撮影所で牧野省三監督が、1910(明治43)年頃に撮った最古の『忠臣蔵』(他に保存されていた2つのフィルムと合わせて最長版にデジタル復元したもの)も見ものですね。18日18時半、大江能楽堂で片岡一郎さんの活弁と上屋安由美さん、宮澤やすみさん、田中まさよしさんの演奏で上映されます。
12月13日に劇場公開される周防正行監督の『カツベン!』は、日本映画草創期の様子が描かれ、作品には牧野省三らしき人物も登場していました。井上陽一さんも観客の役で登場されて、僅かですが台詞がありますので、それもお楽しみになさって、ぜひ映画館へお運び下さいませ。
牧野省三監督、総指揮作品の中からまとめてご覧いただきます。『豪傑児雷也』(1921年、尾上松之助代表作の一つ。日本最古の忍者作品)、『雷電』(1928年、助監督に長男正博の異母兄・松田定次の名も。省三最後の監督作品で、正博にとっても俳優として最後の作品。何度見ても楽しめる喜劇)、『快傑夜叉王』(1926年、市川右太衛門がマキノに入社して、デビュー2作目)、『国定忠治』(1924年、新国劇の澤田正二郎主演)の4作品。18日13時から、大江能楽堂で、坂本頼光さんの活弁と鳥飼りょうさんの演奏で上映します。
もう一つ、マキノ正博監督と晩年のマキノ映画として3作品上映します。『崇禅寺馬場』(1928年、マキノ正博監督、南光明主演。1715年大坂の崇禅寺境内で返り討ちとなった遠城兄弟の実話を元に、山上伊太郎が脚本を執筆)、『黒白双紙』(1926年、曽根純三監督。主演は唄う青春スターとして人気を博した杉狂児)、『逆流』(1924年、二川文太郎監督。主演の阪東妻三郎は、不運な境遇に苦悩する若侍を演じ心理描写に成功、阪妻開眼と高く評価されました。『雄呂血』はこの『逆流』から生まれたとも伝えられています)。もう一つ、当館所蔵映像を集めて編集した「マキノが生んだスターたち」も上映します。18日15時20分から、大江能楽堂で。坂本頼光さんの活弁と鳥飼りょうさんの生演奏でご覧いただきます。ライブ感を、どうぞお楽しみください‼
こちらも昨日1日付けで掲載された朝日新聞の記事です。何が嬉しいって、この記事の中で、私どもが提案した牧野省三没後90年特集と「京の映画 京都ゆかりのアニメーション」が紹介されていることです。前者については上に書いた通りですが、後者については、京都新聞で政岡憲三監督『べんけい対ウシワカ』、谷 耀介監督『くらまの火祭』が、朝日新聞でも「見どころ」として川本喜八郎監督『花折り』が画像を貼り付けて紹介してくださったことです!!!!!
「映画もアートもその他もぜんぶ」をテーマに、試行錯誤しながら走り続けて6回目。府内の映画館を始め、ここで紹介した祇園花月や大江能楽堂など約20カ所で賑やかに展開されます。みんなで力を合わせて一生懸命良い映画祭にしようと頑張っています。行楽の秋、ぜひ京都にお運びいただきまして「映画もアートもその他も全部」をお楽しみください‼
詳しくは、京都国際映画祭2019公式ホームページをご覧下さい。チケットの販売は既に始まっています。会場でお会いできますことを楽しみにしております。なお、他に提案したサイレント映画(アメリカ喜劇)特集と『浪人街・予告編~1976年夏、東映京都撮影所』については別立てでご紹介します。