おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2020.08.08infomation

今秋企画の「パテ・ベビーと小型映画資料展」のご案内

残暑お見舞い申し上げます

うだるような暑さが続いています。熱中症に、新型コロナウイルスに、食中毒に、と気を付けなければならないことがたくさんありますが、皆様お変わりございませんか?暦の上では、昨日7日が立秋。新型コロナウイルスに振り回されている感がありますが、季節は着実に前に進んでいます。

というわけで、9月2日(水)~10月25日(日)に開催する催しのご案内です。今年3月に寄贈を受けた「パテ-シネ」などの冊子、家庭トーキー映写機と紙フィルム、それと同期して楽しんだレコードなどをご紹介しようと思い、企画展「パテ・ベビーと小型映画資料展」をすることにしました。

期間中に2つの催しもします。

☆9月13日(日)13時半~、「第4回パテ・ベビー上映会」。パテ・ベビーは、フランスのパテ-社が開発した9.5ミリの特殊なフィルムです。これまでは、パテ・ベビー映写機を用いて上映し、ドキドキハラハラしながら見ましたが、今回はサイレント映画ピアニストの第一人者、柳下美恵さんの生演奏でお楽しみ頂きたく、全てデジタルでの上映です。参加費は、一律2500円(入館料込)。ご覧頂くのは次の作品です。

◎イタリア映画『オセロ~ベニスのムーア人』(1909年)。17世紀初頭にシェイクスピアが書いた悲劇『オセロ』を映画化した作品。110年以上前の映像が、パテ・ベビーに残っていました。おそらく国立映画アーカイブにある小宮コレクション(手彩色)、シネマテーク・フランセーズ所蔵(モノクロ)、と同じ現存最古の『オセロ』映画ではないかと推察しています。IMDbを見ると、『OTHELLO』は、ウーゴ・ファレーナとジェローラモ・ロ・サヴィオの共同監督と記載されています。主演は、フェルッチオ・ガラヴァリア(オセロ)とヴィットーリア・レパント(デスデモーナ)です。パテ・ベビーでのタイトルは『Othello ou le More de Venese』。これをIMDbで見ると「1909年、フランス製作」となっています。1909年3月、パテ社はイタリアのローマに、フィルム・ダルテ・イタリアーナ(FAI)を設立し、ウーゴ・ファレーナとロ・サヴィオに管理を委託。その第1作が『オセロ』でした。翻訳を当団体正会員の吉川恵子さんにお願いしました。

阪妻・立花・ユニバーサル連合映画『当世新世帯』(1927年、小沢得二監督)。阪東妻三郎の人気により、アメリカへの輸出を考え、ユニバーサル映画と提携したものの、阪妻は松竹との専属契約があったため、阪妻出演作品を輸出できず、すぐに提携が解除され、海外進出は半年間の夢に終わりました。この作品は、現代劇の喜劇映画です。主演は堀川波之助、泉春子です。阪妻は出演していませんが、阪妻・立花・ユニバーサル連合映画での製作作品は少なく、唯一現存する映画ではないかと推察しています。

内田吐夢監督『潜艇王』(1927年)。今年は、内田吐夢監督の没後50年で、数少ないサイレント映画の1本です。主演は、広瀬恒美、夏川静江です。

◎チラシに載せ忘れましたが、ラリー・シモンとオリヴァー・ハーディによる『STOP,LOOK AND LISTEN』(1926年)も上映します。邦題は『猛進ラリー』で、長い間、現存しないとされていた作品です。

珍しい作品ばかりですので、どうぞお楽しみに‼

☆10月3日(土)13時半~、河田隆史さんの研究発表「8ミリグラフの発展と終焉~市販フィルムを家庭で上映すること~」。参加費は一律1000円(入館料込)。

チャップリン コレクターとして、2019年4月16日「128th チャップリン・バースディ」を記念して、「浮遊する街~『犬の生活』における闘争する敗者~」の演題で発表して頂きました。この時は、『ノックアウト』(1914年)と『チャップリンの替玉』を古後公隆さんのピアノとチェロの演奏付きでご覧頂きました。

今回は、サイレントの時代劇やアニメーションを見ながら、8ミリグラフの歴史を振り返るという趣向です。

河田さんには、今開催中の資料展「『満州国』って、知っていますか?」や昨年12月の「戦争プロパガンダ展」で、ポスターや雑誌などのコレクションをお貸しくださって、大いに助けられています。

9月13日も、10月3日も、三密を防ぐため、定員をいつもの半分に減らし、先着15名(予約者優先)に設定しています。お申し込みをお待ちしております。

なお、水曜~日曜の開館日10時半~、大阪芸術大学映像学科学生映画(1971~2020)を上映(入館料込1000円)していますので、展示見学を目的にお越しの場合は、正午~17時の間にお願いいたします。

 

【皆様にお願い】6月28日の「成瀬映画の女優たち 成瀬映画技法とデティール」、7月24日「映画『祇園祭』研究者と製作上映協力会メンバーとのトークイベント」、7月26日「無声映画に見る新国劇の世界」では、予約頂きながら、当日連絡がないまま来られなかった人が相次ぎました。大勢の申込者に定員いっぱいだからとお断りした人気プログラムだっただけに、大変残念な思いを味わいました。諸事情で参加が難しいと判断された場合は、出来るだけ早く、必ずご連絡をお願いいたします‼

入館の際は、マスク着用と設置しているアルコール消毒液で手指の消毒をお願いいたします。検温もさせて頂きますが、もしも体調に不安を感じておられるようでしたら、感染拡大防止のためご来館をお控えください。ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

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