おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

どんどこどん / 畑山敦紀監督作品 2021年12月15日(水)~19日(日)10:30~

どんどこどん

1989年、畑山敦紀監督作品、16ミリ、カラー、スタンダード、45分

あらすじ

昭和から平成に移り代わった年。平和な、しかし取り立てて何の取り柄もないある村では、人口減少と過疎化に歯止めをかけようと、懸命にイベントを考えていた。人の集まる名所旧跡がある訳でも無い村で、ある日殺人事件が起きる。村では初めての大事件でだった事で、他所の村では絶対にやりそうもない驚きのイベントを発案、実行に移した。近隣の自治体のイベントに押され、冤罪やトラブルが起きて、ますます収拾がつかなくなってゆく・・・

制作意図

なるたけ「ハッタリの効いた話」で「学生なりに撮りきれる話」、「ありがちな学生の感情を深堀りしない話」を目指していたような記憶があります。「殺人事件が起きて、犯人が逮捕されたら終わり的な展開ではないもの」も意識していました。当時の「16ミリフィルムで制作できるもの」という極めて枠の中(現在Youtuberの方が遥かに自由度は高いですよ)で、色んな可能性を模索するなかで、最終的にこの企画に行きつきました。また、卒業制作ということもあり、個人的な友人知人、親戚の皆さんにも出演していただきました。

キャスト

垂水秀、中村友映、桜井翔、珍珍介、影山哲次

スタッフ

製作:岡村浩太郎、原案:河野浩二・畑山敦紀・岡村浩太郎、脚本:岡村浩太郎、監督:畑山敦紀、撮影:奥野幸雄、照明:河野浩二、美術:河野浩二、録音:岡村浩太郎、編集:畑山敦紀

コメント

私が大阪芸大の門を叩いた頃は、一般家庭にやっと家庭用ビデオが普及し始めた頃(それでもビデオデッキは100,000円は下りませんでした)で、プロ用の業務用ビデオカメラがやっとハンディのものが出始めて、街ロケが始まった頃でした。学生の映像制作のメインはもっぱら8ミリフィルム。現像に出して上がってきたフィルムを上映したら思った通りに映っていないこともしばしば。何度も失敗を重ねて、何とか形にして行ったのが、学生時代の映像制作の一番思い出。当時、作ったフィルムを観るのは、実に33年ぶり。ながら見するのも恥ずかしいかと思いましたが、33年の時間の経過は、かつての自分とは別人格で、「ヘタクソで拙い部分」も「配慮が足りない部分」も、「消えかけていた記憶」を想起する方に脳が働く我が身の前には無力でした。芸大や周辺の景色、若くして召された友人知人の姿に魅入ってしまいました。映像関係のアルバイトと学生生活を満喫した後、一般企業に就職はしましたが15年ほど前にフリーランスとなりましたが。どこで仕事をしていても、その根底には学生時代に身に着けたものがベースになっていると、今までも時おり思います。