おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

古屋の次第 / 加藤秀仁監督作品 2020年11月11日(水)~15日(日)10:30~

古屋の次第

2008年、加藤秀仁監督作品、16mm(アリ16SR2)、カラー、スタンダード、70分

受賞歴(招待上映を含む)

FUJIFILM賞、ハンブルグ日本映画祭招待

あらすじ

真は、気が狂った母親の代わりに風俗店で働く毎日。精神的に限界にきていた。 古屋が見えると言い始めた母親は良くなる兆しが見えない。 次第に周りの人物も気が狂い始めたように思った真は、風俗嬢の翔子と逃げ出すように風俗店を抜けだし、希望を見出す旅をはじめるのだった。

制作意図

小難しい話なんですが、10年経た最近になってようやく意図がはっきり見出せたような気がしてます。 悪が普通になり当たり前になったとき、それはもはや悪とは言わず普通になる。でも、その狂気の世界に気づく人は少なからずいるもので、そういう人たちが共通して「古屋(廃屋のこと。造語です)」が見えるようになったというお話です。そこから逃げるもの、諦めるもの、抗うもの。その世界で希望するエンドにはならなかった登場人物たちが、いかにして最後を迎えるのか。そして、その上で主人公たちは何を思うのか。そしてそのあり方は。そういうものを表現したかったと懐古しています。

キャスト

吉田圭佑、竹林乃衣子、信國輝彦、栗田正寛、椎原小百合、津々井俊行、藤原浩太郎

スタッフ

制作:山田洋揮、脚本・監督:加藤秀仁、撮影・照明:中村渓、録音・整音:豊田浩司、音楽:野村知秋、編集:加藤秀仁

コメント

月並みですが、余程なことがない限りあの頃のみなぎるパワーや想いは今では出せない気がしています。

ものすごく特別で本気で、なおかつ社会的な制約がないので恐れもないし、常に自分たちが真ん中にいるという自信が映像から滲み出ていました。30歳くらいのときに卒業制作を5年ぶりくらいに見返して客観的に評価してみたんですが、結果は評価とかそういう問題ではなく、今の自分が見習わなければならないところが詰まりすぎていて変に感動してしまいました。本当の意味での本気を知ることができる唯一の期間であり、30歳を過ぎた今、あの頃の考え方や行動原理が逆に指標になっているような気がしています。

 

【加藤秀仁プロフィール】映像ディレクターになり、MV、TVCMなど監督しつつ、ネットドラマやショートフィルムなどを制作。中国でも活動中。
HP→http://dot-hidejin.com/

 

【中村渓プロフィール】撮影部に所属し、さまざまなCMやドラマ、映画に携わる。

 

【豊田浩司プロフィール】録音部に所属し、さまざまな映画に携わる。

 

【野村知秋プロフィール】さまざまな映画音楽を制作。「川の底からこんにちは」など。