おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2018.12.01infomation

12月9日、澤 茂仁さんの研究発表と第3回パテ・ベビー映画祭を開催します!

12月1日は「映画の日」。この日に合わせて当館の小冊子『パテ・ベビーの時代2』を発行するよう準備中ですが、少々遅れます。完成次第お知らせしますので、もう暫くお待ちください。

さて、その執筆者である澤 茂仁さんによる研究発表「<小さきシネマ>としてのアベル・ガンス『ナポレオン』―9.5㎜と17.5㎜をめぐって—」を12月9日13時半から開催します。

これまでも澤さんは、何度も当館の催しに参加して下さっていて顔見知りなのですが、執筆を依頼した一番の理由は、昨年9月3日、シアターカフェ(愛知県名古屋市中区大須2丁目32-24、マエノビル2階)で開催された日本映像学会ショートフィルム研究会第20回活動「ショートフィルムの文化的起源:戦前のおもちゃ映画・小型映画の魅力と歴史」での彼の発表内容が面白かったこと。

企画・司会は、やはり顔馴染みの中部大学他で非常勤講師をされている洞ケ瀨真人さん。当館のことも載せて下さったアーロン・ジェロ―(イェール大学教授)とマーク・ノーネス(ミシガン大学教授)共著『日本映画研究へのガイドブック』(ゆまに書房、2016年)の翻訳なども手掛けておられます。専門は映画史・映像文化論。この時の発表は「技術の魔力:1920年代の子供向け映画技術解説書を通して」でした。

そして、もう一人の企画者である澤さんの発表は、「小型映画、グラフ、『ナポレオン』」。本当は阪東妻三郎をテーマにお話される予定だったので、阪妻が出ているおもちゃ映画10作品を準備していきましたが、急遽演題が阪妻からナポレオンに変わるハプニング。そして、連れ合いも肝心のおもちゃ映写機を忘れて出掛けてしまい、ご来場の皆さまには本当に申し訳ありませんでした。映像は他にもおもちゃ映画のアニメーション11作品を用意して行きましたので、合計21作品をデジタルでご覧いただきました。

その報告書の「まとめ」で、澤さんはこの催しの意義を二つ上げておられます。一つは小型映画を取り上げたこと。美学的な要素や映画作家ばかりに偏重せず、機械やフィルム・フォーマットといった物質的な側面、アマチュア、ファン、コレクター、児童といった層などにも、小型映画を通じて光を当てることができたのではないかと。もう一つは、大学に属する研究者や大学院生、アーキビスト、キュレーター、映画に関心のある一般の方々など多方面の方々と活発に議論や交流を行うことができ、学術と娯楽の別に関わらず映画の文化的な意義や奥深さを共有することができたことです。

お二人と一緒にトークに参加した連れ合いが、帰って最初に発した言葉が「面白かった!!」でした。とりわけ『ナポレオン』についての発表が興味深かったようです。先に発行した飯田定信さんと森末典子さんによる小冊子『パテ・ベビーの時代』がハード面のアプローチだったので、次はソフト面でと、澤さんに小冊子執筆をお願いしました。当館が開館して間もない頃に寄贈いただいたフィルムの中に『ナポレオン』があり、その後、もう一人から別の巻の『ナポレオン』をご寄贈いただきました。12月9日のパテ・ベビー映画祭では、このお二人から寄贈していただいた『ナポレオン』を上映します。

アベル・ガンスの『ナポレオン』は、フランスでは国宝扱いされ、映画史上屈指の大作です。この作品の初公開は1927年パリ・オペラ座。日本での初公開は20年代末の劇場でしたが、残念ながら興業は不遇に終わりました。その要因は公開館数の少なさと余り普及しなかった17.5㎜で上映されたことが考えられるそうです。見逃したファンは先に販売されていた9.5㎜で見るしかなかったのです。

長らく埋もれたままだった『ナポレオン』は、半世紀の時を経て、1980年代に再び脚光を浴びます。9日は、この1作品が辿った紆余曲折を通して、『ナポレオン』パテ・ベビー版の受容を考えます。所蔵する映像は20数分ではありますが、暗い部屋で「本物(35㎜)を見たい」と思いながら凝視してご覧になっていたであろう当時の人々の思いを追体験していただきます。

他にもチラシに掲載している所蔵映像を、パテの映写機で上映する貴重な機会です。お楽しみになさってください。また、お手元にパテ・ベビー・フィルムをお持ちでしたら、上映して皆さんと一緒に観てみましょう(できるだけ事前にご連絡をお願いします)。なお、状態が悪い場合は上映を中止する可能性もありますので、予めご了承ください。

いずれの作品も、天宮遥さんの生演奏で上映します。天宮さんは神戸大学、兵庫教育大学大学院を卒業した才媛で、ラジオパーソナリティとしてもご活躍。2016年にサイレント映画ピアニストとしてデビューされ、「今がとっても楽しい」という彼女の演奏もぜひお楽しみください。

お一人でも多くの皆さまのお越しを、心よりお待ちしております。

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