おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2019.05.06infomation

6月5~30日資料展「京都映画産業の礎を築いた二人の偉人、稲畑勝太郎と横田永之助」のご案内

6月は、後述の新資料発見者で研究発表もしてくださる映像ディレクターの長谷憲一郎・京都大学大学院生と横田家のご協力で資料展「京都の映画産業の礎を築いた二人の偉人!稲畑勝太郎と横田永之助」を開催します。

幼い頃から秀才肌で知られていた稲畑勝太郎(1862-1949)は、1877(明治10)年京都府立師範学校在学中の15歳の時に、府の交換留学生8人のうちの1人に選ばれます。フランスに留学した先で、オーギュスト・リュミエール(1862-1954)と机を並べることになり、親交を深めます。オーギュストと弟のルイ(1864-1948)兄弟は1895年に、撮影機と映写機を兼ねた「シネマトグラフ」を発明し、公開します。

稲畑は発明から2年後の1897年に、このシネマトグラフとフィルム、そしてリュミエール商会が派遣した映写・撮影技師コンスタン・ジレル(1873-1952)を伴って神戸港に帰国。その後、京都の木屋町にあった「京都電灯会社」の庭で「自動幻画」試写実験をし、その年2月15~28日大阪・難波の南地演舞場(現・TOHOシネマズなんば)で、列車が走る映像などを上映。その後、全国で映画興行を行いました。後に大阪商業会議所(現・大阪商工会議所)会頭や貴族院議員も勤めた実業家です。

2017年6月に長谷さんが、京都国立近代美術館で発掘した稲畑直筆「リュミエール兄弟に宛てた書簡4通(全8頁)」(1897年)は、同時期にアメリカのエジソンと交渉して荒木和一が持ち帰ったヴァイタスコープなど4系統による映画興行を稲畑が強く意識して、攻防を繰り広げていたことを生々しく伝え、極めて貴重な史料です。現在稲畑産業㈱Webサイトでこの4通の手紙を含む写本1冊(1897年)と留学時代のノート(1879年)計3冊が公開されています。翻訳は堀 潤之・関西大学教授。

実は随分以前に連れ合いも大阪の「稲畑産業」(前身は稲畑が創業した「稲畑染料店」)を訪問したことがあったのですが「うちは早々と映画から手を引いて染料を商っていますから」と映画との関係を余りおっしゃらなかったそうです。でも今回の史料発見で、やはり稲畑は「(京都での興行は)観客がいなくなるまで続けるつもり」と意欲を示し、映画興行に並々ならぬ覚悟で取り組んでいたことがわかり、興味深いです。第一級史料発見のニュースはWeb公開開始の今年1月25日に長谷さんが記者発表され、大きく報道されました。今回はリュミエール社の映像も見ながら、新発見史料がもたらす日本の初期映画研究への寄与についてお話いただきます。

もう一人の偉人、横田永之助(1872-1943)は、稲畑から映画の興行権を譲り受け、巡回映画興行に力を入れ、「横田商会」を立ち上げました。京都初の撮影所「(通称)二条城撮影所」を開設し、1912(大正元)年、吉澤商店、福宝堂、エム・パテー商会と横田商会が合併した「日本活動写真株式会社(日活)」創設では中心的役割を果たし、5代目社長を務めるなど日本映画草創期に大活躍した人物です。

長谷さんは昨年4月と9月に、映画史研究で訪れた京都・山科にお住いのお孫さん宅から貴重なフィルムも発掘されました。4月に発掘されたフィルムは、1932年京都・太秦にあった極東フィルム研究所(現・IMAGICA Lab.)の竣工式で祝辞を述べている珍しいトーキー版の16㎜映像(1本、約2分)で、横田の肉声を聞くことができます。このフィルムは式典後直ちに自動現像され、その日のうちに試写されました。長谷さんによれば、これが日本で初めての自動現像された映画フィルムだということで、映画の自動現像化とトーキー化の関係について解説していただきます。

そして9月に発見されたのは、横田を映した35㎜サイレントフィルム4本で、そのうち状態が良かった2本(約18分)が国立映画アーカイブに寄贈され、その後デジタル化されて、今回が初披露となります。1927年横田商会総会の様子や翌年亡くなった妻の葬儀の映像が記録されていて、葬儀が営まれた知恩院や東華菜館など往時の街の様子がわかります。京都商工会議所の副会頭を務めるなど、実業家としても名を残した横田永之助のこれら貴重な映像発掘について、長谷さんは昨年11月19日に記者発表され、多くのメディアで報道されました。15日に開催する研究発表<後編>では、これら3本の映像を上映しながら、貴重な新資料がもたらす日本の近代映画研究への寄与についてお話いただきます。

二週連続研究発表に来て下さる人に、僅かでもお礼の気持ちを伝えたいと、少し料金を割引設定しました。各日は入館料込みの1000円(大学生と当館正会員は800円)ですが、2週連続でご予約の方は初回の5日に1800円をお支払いください(同様に大学生と当館正会員は1400円)。そして、終了後には懇親会(各日500円、差し入れ大歓迎!!!)を設けますので、研究発表会申込時に、懇親会のご意向もお聞かせくださればありがたいです。定員各回30人。申し込みは電話075-803-0033 または 電子メールinfo@toyfilm-museum.jp でお願いします。

たくさんの皆さまのご参加を、心よりお待ちしています‼

 

 

 

 

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