おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2023.04.03infomation

「KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭2023」KG+の会場になります‼

4月15日(土)~5月14日(日)、古都京都にある重要文化財建築や寺院、京町家など様々な特色ある会場を舞台に、KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭2023 が開催されます。2013年に始まって、今年は11回目を迎える日本で数少ない国際的な写真祭です。2015年5月におもちゃ映画ミュージアムを開館して以来、この写真祭のことが興味深く、いろいろ見て歩きました。そして、いつか織屋建ての当館が会場にならないかなぁとずっと夢見てきました。それが今年、初めて叶います💗

昨年2月6日、オーストリアのウイーン出身アルマ・シャンツァーさんと知り合いました。彼女から年末に大阪府堺市内で開催された「ミュッシャの生きた時代の写真展」で、彼女が取り組んでいる湿板写真(アンブロタイプ)を出品すると連絡があったので見に行ったところ、その展覧会主催者で、今回の写真展出展者でもある若林久未来さんと出会いました若林さんは19世紀に開発されたヴァンダイク・ブラウン・プリント技法をベースにデジタル技法を導入した作品を発表されていました。

映画前史の一つとして位置付けられる「写真」のダゲレオタイプ(銀板写真1839年、フランスのダゲールが発明)、アンブロタイプ(1851年、イギリスのアーチャーが発明)、ティンタイプ(湿板写真の一種でブリキや牛革に感光剤を塗布して作り、アメリカの南北戦争時に大流行)なども展示している当館と二人の写真は親和性があると思い、アルマさんと若林さんの二人で京都国際写真祭への出展応募を勧めました。

幸いにも審査が無事に通り、二人の作品については同写真祭公式サイトの「KG+pick up」で紹介されています。ぜひ、クリックしてご覧ください。「KG+」はこれから活躍が期待される写真家やキュレーターを発掘して支援することを目的にした公募展です。写真祭を機に世界へ羽ばたいて活躍して下さったら素敵ですね。

写真展のタイトルは「Carnation×reincarnation」(カーネーション×リーインカーネーション)。アルマさんによれば、彼女の作品のモチーフになっているカーネーションの花と若林さんの輪廻、または生まれ変わりという二つのテーマの組み合わせが、そのタイトルの由来。「carne」というラテン語に由来する言葉には「肉体」「肉」「肉体化」という意味があり、カーネーションの語源もピンク色のため、それに基づいているという説もあるのだそうです。

もう一つの「reincarnation」には「改めて肉体が与えられる」という意味があるらしく、それでチラシをカーネーションの色でもあり肉体の色でもある色で制作されました。さらに「咲いているカーネーションも女性の身体も、ある意味『生』の象徴でありながら、それの変化と再生が若林さんの作品の中で表現されています」とアルマさん。

期間中には、以下の4つの催しを開催します。いずれもお申し込みは、チラシ裏面掲載のQRコードからお願いいたします。

◎4月15日(土)14~15時、展覧会開始を記念して、館長が先に挙げた古典写真の実物を示しながら、映画誕生の契機の一つとなった写真の歴史について話します。参加費1500円(入館料込み)。

◎4月16日(日)①11時②13時③15時、当館で「みんなで手作り青写真ソーマトロープ」のワークショップを開催します。各回10組で参加費1500円(入館料と材料費込み)。

ソーマトロープは1825年に考案された光学玩具の一つで、アニメーションの仕組みが分かります。丸い台紙の表面に古典技法のひとつ「サイアノタイプ」で青写真を作り、裏面には参加者が自由に絵を描きます。液剤を塗布した台紙が太陽光と反応して起こる化学反応の面白さを体験します。台紙左右に開けた穴に輪ゴムを通し、その輪ゴムを捻じりながら左右に引っ張ると、台紙が素早く回転して青写真と絵が交互に見えて、絵が合体して見えます。指導は若林さん。

◎4月23日15時、イランの女性をゲストに「イランティータイム」。同国の文化をテーマにしたアニメーションを制作しているアーティストをお招きし、彼女の作品を見せて貰いながら、イラン女性の現状や日本とイランの文化の違いについてお話を伺います。司会進行はアルマさん。その後、お茶とお菓子を頂きながら自由な交流会。参加費1500円(茶・菓子付き、入館料込み)。30名。

◎5月14日(日/最終日)14時の閉幕後、15時からクロージングパーティーをします。参加費1000円で、ワンドリンクとおつまみ付き。入館料込み。差し入れ大歓迎です‼

アルマさんと若林さんの「女性、生命、自由」をテーマにした作品を館内に展示するほか、写真の歴史や技法についてもパネルで紹介します。この展覧会を通して古典写真技法に関心を持つ人が増えて下さると嬉しいです。多くの方のご来場とご参加をお願いいたします。お知り合いにもお声がけいただければより一層ありがたいです。特に16日のワークショップはカメラ無しでも撮れる写真の面白さを体験できる特別なプログラムで、お子様連れで参加できます。

※今回の写真展とワークショップは、一般財団法人全国科学博物館振興財団の助成を受けて開催します。併せて塚本学院校友会の後援も受けました。この場を借りて御礼を申し上げます。

 

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