おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

ゴロン・バタン・キュー / 山元環監督作品 2021年9月22日(水)~26日(日)10:30~

ゴロン・バタン・キュー

2014年度、山元環監督作品、DV、カラー、16:9サイズ、54分

受賞歴(招待上映を含む)

Kodak Vision Award賞、第27回東京学生映画祭/準グランプリ・最優秀役者賞、PFFアワード2015/審査員特別賞・神戸賞、第18回京都国際学生映画祭/沖田修一賞/李鳳宇賞/観客賞

あらすじ

大阪のあいりん地区が舞台。淀川の河川敷にもと日雇い労働者の佐々木さんが作ったハウスに同居する、あたる。空き缶回収に精を出して日銭を稼ぎ、あたるは生まれて初めて自由を知る。そして魅力的な女性の出現によりあたるの世界は少し広がるのだが———。心優しき人間たちの孤独と生きずらさをみずみずしく描く。

制作意図

高校生の頃、たまたま通りかかった日雇い労働者の街・釜ヶ崎の空気感が違うことを肌で感じたことがきっかけです。こんな近くにこんな場所があったのか。というインパクトがずっと心に残っておりました。 制作の過程で感じた、外から見ていた釜ヶ崎という街と、中に入って感じる釜ヶ崎の違い。人との繋がりを 求めた人達が集まる場所なんだなと。治安が悪いので、怖い人たちが集まっていると思っていましたが、寂しい人達の集まりで、ホームレスの方々が持つ感情や、社会から疎外されている感覚は普遍的でした。大学生である僕等との違いは家があるかどうか。本当にそれだけでした。シナリオハンティングでは、実際に釜ヶ崎で何日か生活をしたり、淀川のブルーテントを訪問、そこにいる人達とお酒を飲んだりして肌感を重要視して脚本を書き上げました。 あの頃の僕は、社会との接点をどうにか自分の感覚で繋げれないかと思索していた時期の作品です。

キャスト

山元駿、伊藤隆幸、瀬戸田晴、鈴木ただし、上杉逸平、大西政子、山本示雄、北村佳佑、榊颯馬、藍田奈結、中村純太、甲斐葉月

スタッフ

製作:山元環・塩田佳代・見城眞介、制作:塩田佳代、脚本・監督:山元環、撮影:辻祐太郎、照明:藤原貴大、美術:塩田佳代・見城眞介、音楽:ネコグスパブリック・高橋透、録音:柴田亜理沙、編集:山元環

コメント

学生の頃は、失敗という概念はなく、とにかく面白いと思えるものを作ろうとずっと力んでおりました。周りの仲間であり、ライバルでもある学生達と批判し合って切磋琢磨していた記憶があります。今になって思えば、何でもフリーダムに出来た、あの時間はもう学生の頃しかなかったんだなと痛感します。技術も何もかも度外視にして思いっきりやっていた、あの頃をちゃんと映画に残せて良かったと思います。あの一生懸命さは、もう映せないので。今はもっと別の視点を持ち、ネクストの戦いに挑んでいる最中です。映画は時間と共に残るから良いですね。大阪芸大の時間は本当に面白かった。大阪芸大は特別級にアホなエネルギーに満ちた人間が多いので飽きることがありません。これからもエネルギーしか取り柄のない作家達を、大阪芸大は輩出していく学校であり続けてほしいです。

山元環:1993年生まれ。現在27歳。東京在住で、フリーランスで映像監督。 2021年1月からSDP(スターダストピクチャーズ)と契約。監督として所属。

塩田佳代:京都東映撮影所でフリーランス契約で美術助手デザイナー。

見城眞介:株式会社アックス/TBS系列の美術会社で造形をしている。

 

今年もまた兄弟でやっているFUTANOGO制作で新作の短編映画を撮りました。
東京国際映画祭のamazon Prime テイクワン賞という部門に
応募して審査発表を待っている状態です。
ノミネートされれば東京国際映画祭で上映とAmazon Primeで配信されるみたいなので、また作品を観ていただけるように頑張ります。

大阪芸大を卒業してから6年近く経ちましたが、やっぱり映画祭にノミネートされるか、されないかというハラハラと期待する時間は楽しいです。
学生の頃と変わらず映画の面白さと厳しさを感じながら精進して参ります。