おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

手紙 / 横山健二監督作品 2022年10月12日(水)15:00~

手紙

1992年、横山健二監督、16ミリ、カラー、スタンダード、58分

受賞歴(招待上映を含む)

神戸国際短編映画祭KIIFF93' 審査員特別賞 バンクーバー国際映画祭94'、その他の映画祭で招待上映

あらすじ

俺(主人公)は大学に入って初めての春休みのある日、いわゆるラブレターを受け取った。住所不明、差出人不明で、少女漫画的なその内容に、半ば疑いつつもその送り主を探し始める。

キャスト

和田尚也、藤村太、服部明子、佐山洋子、横田典枝、語り:岡秀樹

スタッフ

製作:藤村太・和田尚也、監督・脚本・撮影・照明・編集 横山健二、録音 鈴木啓三、音楽 中本徳朗

コメント

本来、卒業制作として始めたのですが卒業までに完成せず(単位は別の作品の撮影で取得)。金も無くなり、卒業後バイトしながら撮影と編集を続け3年後に完成。幸いにも神戸国際短編映画祭KIIFF93’で審査員特別賞を受賞、国内や海外の映画祭などで上映していただく事が出来ました(バンクーバー以外でも上映したんですが、うろ覚えで思い出せない…)。主要な撮影は、写真に写っている昔のニュース映像でおなじみゼンマイ巻きのベル&ハウエル フィルモ 70DRカスタム仕様で撮影しました。ゼンマイをフルに巻いても46秒しか駆動しません。なのでこの映画のカットは最長で46秒。別にこだわりがあったわけではなく、単に研究室の貸し出し用カメラで、このカメラは誰も使いたがらなかったのでほぼ無制限で、長期間借りる事が出来たから、です。またこの映画は一切セリフなし、主人公の語りだけ、と決めて撮影してましたので、うるさいゼンマイの駆動音も特に問題なしでした。語り口調は江戸川乱歩とか極めて初期のハードボイルド小説(主人公がタフガイではなく、エリート探偵小説から脱却した地味で地道な捜査をするしがない探偵)をモデルとしています。脚本は中島貞夫先生にすごく褒めていただき、完成後にちゃんと映像学科の試写室を借りて上映し、先生に見ていただきました。懐かしいです。国内外の映画祭に出たおかげで塚本晋也監督、押井守監督、鈴木清順監督、チェン・カイコー監督などにも褒めていただき、かなりびっくりしました。押井監督に「東京を舞台にすればよかったのに」と言われ『いや、東京を舞台にしたらもろにに押井さんの映画になっちゃうじゃん』と内心思った事を思い出します。撮影中に「パトレイバー劇場版」が公開されてるんで、編集時にそれなりに影響受けてます。刑事二人が地道に聞き込みして行くのを台詞なし音楽のみで描写して行くのが好きでした。野村芳太郎監督「八つ墓村」の渥美清さん演じる金田一が全国巡って過去帳を調べてゆくシークエンスも好きです。ラストはチャップリンですね、色々影響受けてます。語りは「ウルトラマンサーガ」の監督や「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」の脚本などもやっておられます岡秀樹さんです。本来熱血口調の方なんですが、幸いにも(?)ナレーション録音当日に風邪を引き熱を出したため、こちらが望んでいた「悲劇的なはずなのにどこか楽しく懐かしむような淡々とした語り口調」で録る事が出来ました。岡さんには申し訳ないですが、とても良かったです(笑)

・・・(2021年12月8日~12日の上映時のコメントです)
「2022年9月1日に地元大和郡山市のYOUTUBEチャンネルで公開されたミュージックビデオ「響け!大和郡山」です。ミュージックビデオ「響け!大和郡山」 『全編』 – YouTube
撮影および撮影全般の責任者&編集やってます。といっても明確な監督がいる訳でもなくて製作委員会が判断するようなやり方で、まあありがちな事が色々と…。とは言えロケ地50ヵ所以上、出演者は3歳から80歳まで500人超。撮影期間4カ月となかなかの大作です。よろしければご覧ください。」