幕末時代の写真家としては上野彦馬、下岡連杖が有名だが、横浜で開業したフェリーチェ・ベアトがいる。そのベアトの弟子であり、彩色師として、日下部金兵衛が居た。ベアトが帰国する折に、ネガや機材一式をライムント・フォン・シュテルフリートに譲り、金兵衛はその下で働くことになった。この写真も、ベアト時代の写真で、金兵衛が彩色したものや、シュテルフリートのもの、また、シュテルフリートからネガを買い取ったイタリア人のアドルフォ・ファルサーリ商会からも同じ映像の彩色写真が販売されている。この写真の彩色は、その色味からファルサーリのものでないかと推察される。
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