「京都ニュース」No.37 昭和34(1959)年


| 目次 | 総時間 |
| お父さんを囲んで 職親委託児のヤブ入り 理髪、友禅 | 01:18 |
| 消防出初式 二条城前 消防時代祭 | 01:11 |
| 酒蔵を訪ねて-伏見- | 04:02 |


市長が親代わりとなって、生活の技術を身に付けるため、職場に預けられて勉強している、職親委託児たち。その1人、美容院に見習いとして働いている下山さんは、今年成人。あとわずかで美容学校の卒業を控えて、前途は明るい下山さんです。

また、友禅を勉強している中西くんも、今年成人。「染色」という繊細な仕事に一生懸命。腕も、もう一人前とのこと。この人たちを励ます会が、成人の日、市長公舎で行われました。

この日、今見習い中の人たちのほか、先輩の「みのり会(?)」会員およそ80名が出席して、親代わりの高山市長夫妻から励ましの言葉と、お年玉やアルバムなどをもらって大喜びでした。この後、曲芸や漫才などがあり、中でも、市長と一緒にお面に手探りで目鼻を入れるゲームでは、珍妙な顔が出来上がり、みんな腹を抱えて大笑い。和やかなヤブ入りの半日を過ごしました。


今年の消防出初式は、火災減少の祈念を兼ねて、1月11日、二条城前で盛大に行われました。この朝、晴れ渡った冬空にくす玉が割れ、鳩が上空に舞って分列行進の開始です。空からヘリコプターがお祝いの紙吹雪を散らす中を、新鋭消防車など78台の精鋭が堂々の行進。

続いて、消防装束の時代行列が行われ、社寺火消のほか、各時代の火消風俗絵巻を繰り広げ、詰めかけた市民を喜ばせました。

この日の模様は、テレビでも紹介されました。最後に呼び物の、五色の一斉放水。数十本の水が美しい虹の橋を架け、力強い京都消防の全貌をご披露しました。


酒の歴史は、その民族の歴史である。淀川三十石船の乗船場、高瀬川運河と大和・西国両街道を結ぶ伏見の地は、その昔から、酒造りの地として知られている。立ち並ぶ酒蔵、川の面に映る柳の佇まいは、伏見ならではの風情である。

伏見は、酒の品質を決める水と米に恵まれている。各地から集められたAクラスの米を精米機にかけ、100キロの米が70キロになる程度まで精米する。続いて米洗い機で洗い、桶に入れて水に浸ける。

蔵人の朝の仕事にかかるのが、午前3時。蔵人たちは、毎年11月、主に福井方面からおよそ1000名が入洛。1つの蔵に10人から20人のグループで、仕事の終わる4月まで、暮れも正月もない。桶に浸けられた米を、藁で巻いた蒸し桶に移す作業で、1日の仕事が始まる。米の蒸し上がりが、およそ1時間後の午前4時頃。湧き上がる家(?)の中に、蔵人たちは手早くスコップで蒸し米を桶に入れ、筵を広げて冷やす。ここで、いよいよ仕込みにかかる。冷やされた蒸し米は、別に作られた、もと、麹、水と一緒に、桶に入れる。仕込みは、酒造りの中で一番重要な仕事である。

このあと、のどかな歌に合わせて 歌詞不明 蔵人は竹の櫂を入れる。今は桶もタンクに代わり、蔵人たちも帽子・ジャンバーと、ぐっと昔と違った姿。

この後、20日から30日間、およそ摂氏15度に保ち、発酵させる。出来上がった醪は麻の袋に入れ、これを「ふね」と呼ばれる酒絞り機に積み重ね、圧搾し、酒と粕とを分離する。これが仕込みの仕上げ作業である。ひんし(?)は、酒絞り機から滴り落ちると、高い香りが酒蔵いっぱいに広がる。絞り出したひんし(?)は、濾過機を通し、不純物を取り、熱を加え殺菌、調合ののち、大きなタンクに貯蔵される。このタンクから、最終工程である瓶詰め工場にポンプで送られる。瓶洗いと高温殺菌。酒も自動的に瓶に詰められる。

熟練者が目を光らす検査が終わると、醸造元のレッテルが貼られ、市場へ送られる清酒が生まれる。伏見の蔵元から出る酒の種類は36種に及び、その生産高は全国最高。40億円以上に上っている。人々の何気なく飲む酒も、このように伝統ある醸造法により、多くの人々の労働と技術によって作られているのである。



