おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

「京都ニュース」No.45 昭和34(1959)年

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目次 総時間
たのしい老人の日 東山老人いこいの家 01:17
八朔(はっさく)祭-松尾神社- 芋ずもう9/1 01:36
赤ちゃんと動物園 乳母車の貸出しと動物園紹介 01:16
走る図書館 移動図書館(バスの名前「青い鳥」)。人形劇、800冊の図書  02:40

 

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15日は年寄りの日。今日一日は、しわを伸ばしてゆっくり楽しもうと、ここ知恩院境内の東山老人憩いの家には、定刻になるのを待ちかねたお年寄りたちが、続々詰めかけました。

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桂玉團治さんも特別出演して今日は演芸大会。お得意の珍妙な女形ぶりに爆笑の渦が巻きます。お年寄りたちも昔取った杵柄。素人歌舞伎の一幕は、なかなか堂にいったものです。すっかり青春を取り戻して、元気な盆踊りも始まりました。老人憩いの家は全国でも初めての試みで、市内に9箇所設けられお年寄りたちを喜ばせています。

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酒造り、農業の神様として有名な、洛西松尾神社では、毎年八朔祭が行われます。これは、昔8月1日、早生の取り入れ初めにあたり、厄日を免れ、中生、晩生の生育を祈る行事でしたが、今ではひと月遅れの9月1日に行っています。

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この日境内では、今年の五穀豊穣、商売繁盛を祈って、土地の若者たちによる草相撲が奉納されます。この相撲は、鎌倉時代より連綿として続けられたゆかり深いもので、塵を切り水をつけての仕切りは大相撲の本場所そのままです。

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京都が誇る郷土芸能六斎は、吉祥院、嵯峨野の人々によって披露されました。とんぼ返りや逆立ちと、獅子舞も汗だくの熱演です。賑やかな松尾神社の八朔祭でした。

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岡崎の動物園に先ごろ、ご覧のような乳母車がお目見えしました。入り口で申し込んで頂けば、どなたにでも無料でお貸しします。これで、おんぶや抱っこから解放されたお母様は大助かり。赤ちゃんを乗せて園内を自由に散歩できます。休日ともなれば、20台の乳母車もフル運転。

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同じ赤ちゃんでも、これはまたかわいいアライグマの赤ちゃんです。8月22日がお誕生日で、親譲りの木登りがお得意です。南米から直輸入のコンドル夫婦。鋭い目をらんらんと光らせ、2mもある羽を広げた姿は、まさに鳥の王様といったところです。涼しい風がもう秋を告げています。かわいい赤ちゃんと動物たちのたのしい一コマでした。

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秋の訪れとともに、活気を呈するのが街の本屋さん。立ち読みで読書の秋を満喫するちゃっかり組もあります。図書館はもちろん満員。ここは受験勉強に憂き身をやつす真面目な若人たちが大部分で、ページを追う目も真剣です。一方、街の図書館、貸本屋さんも安い料金で手軽に借りられるというので大繁盛。隠れたベストセラーもここから生まれます。週刊誌ブームに乗って、通勤のポケットやカバンの中には必ず一冊。寸暇を惜しんで読みふけり、思わず乗り越してしまう人もあるようです。さて、周辺部の娯楽に恵まれない人達のために走り続けるのが、教育委員会の青い鳥です。

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走る図書館として、車の中におよそ800冊の本や人形劇を積んで、すっかり秋の装いに包まれた山あいの町々を訪れます。待ちに待った青い鳥の訪れに、歓声を上げて走り寄る子供たち。車に飛び込んで、むさぼるように活字を追うあどけない顔つきに、係の人の頬もほころびます。

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また、車の外では小さい子どもたちに、人形劇や腹話術のサービス。「ひゃー、鬼には弱いんだ。怖いよー。」「怖がっちゃいけないよ。」「ええっ、やあやあ我こそは、わかのまろ(?)なりー。」「違うよ、一寸法師だ。」村仕事から駆け付けたおばあさんも時代小説のファンです。

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こうして、ひと月に1回の巡回訪問を経て、感謝の瞳に送られながら、青い鳥はまた次の街へ。夢と希望を乗せて山あいに消えていきます。

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