「京都ニュース」No.11 昭和32(1957)年
〇 予算市会開会
〇 カメラの眼・天神様の梅花祭
日本映画協会青年部会のカクテルパーティ(中村錦之助、東千代之介ほか)
〇 警察展始まる
〇 春のきものショウ
〇 まちを美しく 道路の舗装、橋の架け替え、灰皿の改修、街路照明改良
3月1日、昭和32年度京都市予算を審議する予算市会が開会されました。冒頭、本予算案について市長説明がありましたが、来年度予算は、普通経済192億5000万円、特別経済185億2000万円で、31年度より26億3000万円ほど増加となっています。この予算案は、3月いっぱい審議されて、月末に可決の予定です。
春がそこまでやってきた、天神様の梅の木に。天神様の梅花祭。野点(のだて)に薫る茶の色も、春は若葉の萌える色。梅のつぼみは硬いけど、ほのぼの漏れる陽射しには、春の息吹が聞こえます。
3月3日、都ホテルで日本映画俳優協会青年部のカクテル・パーティーがありました。お馴染みの東千代介さんは、今日は青年部長といういかめしい肩書きで挨拶。会長・月形龍之介氏祝辞のあと、各社スタアはファンたちと入り交じって盃を上げました。
12日から大丸7階催し場で、京都府防犯連合会主催の警察展が開かれております。会場は連日踵(きびす)を接する盛況ですが、今年の呼び物は、松竹の担当による、西大路八条強盗殺人未遂事件発端部のセット。
そして、東映担当の犯人逮捕の過程をみせる五段返し。
また、大映がつくった青年の性と暴力などは、入場者の足を止めております。
1957年春の着物ショーが、京都織物卸商協会主催、京都市・京都府の後援で7.8.9の3日間、八阪歌舞練場でその幕を開けました。萬代峰子(よろずよみねこ)さんの美しい解説に、ミス着物、ミセス着物ほか、31名の着る今年の春のトップモードは、その美しさを競い合い、京都ならではの、豪華なファッションショーでした。
日本の顔と言われている私たちの故郷(ふるさと)・京都は、世界のあこがれの的です。その京都をより美しくと、ただ今京都市では、道路の舗装、厠の改修、橋の架け替え、街路照明の改良など、着々と工事を進めています。古典美を残しながらも、日々近代化されていく京都は、私たち市民の誇りです。
なお、「私たちは、美しいまちをつくりましょう」とは京都市市民憲章の一節ですが、このほどロータリークラブでは、故郷の都市美建設に協力しようと、街路用吸い殻入れを市に寄贈、近く電停などに取り付けることになりました。
<注> 京都市市民憲章
わたくしたち京都市民は,国際文化観光都市の市民である誇りをもって,わたくしたちの京都を美しく豊かにするために,市民の守るべき規範として,ここにこの憲章を定めます。
この憲章は,わたくしたち市民が,他人に迷惑をかけないという自覚に立って,お互いに反省し,自分の行動を規律しようとするものです。
わたくしたち京都市民は,美しいまちをきずきましょう。
わたくしたち京都市民は,清潔な環境をつくりましょう。
わたくしたち京都市民は,良い風習をそだてましょう。
わたくしたち京都市民は,文化財の愛護につとめましょう。
わたくしたち京都市民は,旅行者をあたたかくむかえましょう。
(昭和31(1956)年5月3日制定)
また,学識経験者や学校,PTA,女性団体,経済団体,労働団体,報道機関などから市民が集まる「京都市市民憲章推進会議(4月24日開催)」において,平成24年の推進テーマと実践目標が決定されました。