おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

「京都ニュース」No.36 昭和33(1958)年

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目次 総時間
冬です 00:31
A・マルロー国務相入洛 00:53
牛のコンクール(元宝池競輪場) 01:02
四条大宮⇔梅津直通 トロバス延長運転開始 01:17
京の味「すぐき」(上賀茂) 03:21

 

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12月11日夕方、奈良から入洛した、フランス国務大臣で小説家としても知られた、アンドレ・マルロー夫妻が、12日朝、日仏両国の国旗を飾った市役所に、高山市長を訪れました。市長はじめ、多数の出迎えの中を、市長室に入ったマルロー氏は、高山市長と歓談のひとときを過ごしましたが、マルロー氏は、「パリの市民も京都に住みたいと願っている人は大変多い。京都とパリの友情盟約は、ただ日仏両国だけでなく、人類の平和のためにも必要なものだ」と語りました。この日、マルロー氏の一行は、住友コレクションや清水寺を見学。空路、東京に向かいました。

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「第6回近畿・東海連合肉牛共進会」が、愛知、岐阜、三重、滋賀、和歌山、兵庫、京都の、7つの府県の代表的な肉牛を集めて、宝池競輪場跡で行われました。まず、牛の身体検査です。ミス・コンクールのお嬢さんと同じように、バストは元より、あらゆる部分に慎重な審査が行われましたが、若松牛、近江牛、神戸牛など、各地から選りすぐったグラマーぞろいの牛だけに、審査も手間取り、持ち主をはらはらさせました。結局、京都関係では、右京区太秦石垣町の吉田ぎいち(?)さんの牛が、晴れの農林大臣賞を獲得しました。

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早くから望まれていた、市電梅津線をトロリーバスに替える工事が、このほど完成。四条大宮↔梅津間の直通運転が開始されました。開通の日から、新しい車両9両も加わり、颯爽と走っています。新車は、観音開きのドアが、前・後ろ2か所にあり、乗り降りにも大変便利になりました。外観も、交通局ご自慢の、グリーンとクリーム色のスマートなもの。これで、一層市民サービスに拍車をかけることになりました。洛西方面から市街の中心部への連絡も、ぐっと便利になったわけです。また将来は、梅津から松尾橋を経て、嵐山へ延長するという計画です。こうして京都市の交通も、段々と近代都市としての様相を整えてきました。

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京の味覚の1つ、「すぐき」は、東に比叡山を臨み、鴨川に沿ったこの地域、上賀茂から作り出されます。この一帯は、気温、通風、排水、土質ともに、「すぐき」の生産には最適です。

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北山の奥から流れてくる水は一層味わいを増し、ほかの土地では、この独特の風味は生まれないと言われています。「すぐき」は蕪(かぶら)の一種です。稲を刈り取った後に種をまき、ほかの野菜の数倍の肥料を施し、たびたび間引きをして、その成長を助けます。収穫は丁寧に、葉を傷めないように抜き取ります。

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早生は10月上旬から11月、晩生は12月から2月上旬に行います。こうして収穫した「すぐき」は、いよいよ漬物にするため、農家の作業場に運び込まれます。この農家では、おじいさん、おばあさん、娘さんまで、一家総出の仕事。最初は「面取り」です。包丁で根、皮を剥ぎ取る作業です。「荒皮剥き」が終わると、今度は「仕上げ剥き」。続いて五穀樽に、根、葉のまま、「すぐき」と塩を交互に重ね、重しを加え、漬け込みます。これは、塩の浸み通るのをよくするためのもので、「荒押し」と言います。これの漬け上がるのが、12時間から20時間。

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これが終わると、水洗い、「本漬け」となります。一般に、この作業は朝早くから行われますが、12月の午前5時といえば、まだ薄氷も張っていようという寒さです。水洗いが終わり次第、本漬けにかかるという忍耐的な流れ作業です。水洗いした「すぐき」は渦巻きのようにして、一並びごとに塩を振りかけ、漬け込みます。これで「本漬け」は終わり。この後、直ちに天秤場へ。

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これは「すぐき」漬けの特有のもので、長さ4mばかりの棒の先に重しをつけた、てこの原理を応用した科学的な天秤で、4日から7日間そのままにしておきます。この後、樽は、発酵を助けるため、摂氏30度ないし40度で密閉された土室の中に、7日間閉じ込めます。

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こうして出来上がった「すぐき」は、大阪、神戸、東京、名古屋の市場に送り出され、1年の生産高は4500万円以上に上っています。このようにして京都市の名産「すぐき」は作り出され、私たちの食膳をにぎわせてくれるのです。

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