「京都ニュース」No.48 昭和34(1959)年

| 目次 | 総時間 | |
| 国立国際会館の地質調査始まる-宝ヶ池- | 01:07 | |
| トピックス | ボストンから代表のマークポートマン氏入洛 | 00:40 |
| 大根だき 了徳寺、鳴滝の大根焚き | 00:43 | |
| 市民駅伝競走 | 00:34 | |
| 年末ご用心-まちを明るく- | 03:55 | |


国立国際会議場は、去る9月15日、閣議で京都市左京区宝ヶ池公園に建設されることに決定。建設省では着々準備を進めていますが、去る12月10日には建設省のサクライ営繕局長らが京都市役所を訪れ、市会議長、市助役、そのほか関係者と懇談、地元の協力を要請、そのあと、宝ヶ池を視察しました。

14日からは、建設省近畿地方建設局の手で、ここの地質検査と測量が始まりました。これは、国際的な大会議場を建設するための準備工程で、地盤の状況をボーリングし、12月中に予備調査を終わることになっています。

これで、交通に便利な、しかも美しい自然に恵まれた宝ヶ池公園は、ニューヨークの国連ビル、ジュネーブの国際会議場などと並んで、東洋の国際会議場としての第一歩を踏み出したことになります。

ボストンからの代表マーク・ポートマン氏入洛

京都市と姉妹都市盟約を結んでいるアメリカのボストン市から、代表のマークボートマン夫妻が市役所に高山市長を訪れ、都市提携公文書を手渡しました。

これは、京都とボストンが今後手を携えて、お互いの文化・経済の交流を盛んにしたいというもので、パリとの友情盟約と共に都市外交の推進に大きな期待が持たれています。記者会見で、ボートマン氏は市民と市民の結びつきを強調しました。

洛西名物、鳴滝の大根炊きが今年も9日10日了徳寺で行われました。700年の昔、親鸞上人が念仏の功徳を説いてこのお寺に立ち寄った時、里人が大根を煮てもてなしたといういわれがあります。

この日は、春の日差しを思わせるお天気とあって、終日参拝の善男善女で賑わい、詰めかけたお年寄りたちも念仏を唱えながら食欲旺盛。お昼過ぎには、大根2000本と油揚げ600枚をぺろりと平らげました。

京都市主催第14回市民駅伝競走は、職域7チーム学区26チーム合計198人の選手が参加して行われました。

6日午前10時、第1走者が市役所前をスタート。コースは右京(?)区役所、観月橋、醍醐三宝院を巡って市役所に帰る6区間52km。この日は好天気に恵まれ、職域学区とも大会新記録をつくる好調のペース。職域では市役所チームが6度目の優勝を遂げ、学区では養徳チームが去年に引き続き連続優勝の栄冠に輝きました。


慌ただしい師走の足音がメインストリートに流れて、1959年も一足ごとに暮れていきます。雑誌の新年号に歩調を合わせて、12月の初めから早くも初詣の宣伝。豪華な羽子板の顔見せも5000円クラスとあっては素通りもやむを得ません。腕によりをかけたクリスマスデコレーションにつられて、デパートは人の波。旦那様から巻き上げたボーナスを手に特売場は身動きのできない混雑ぶりです。レジスターが焼けるほど動くお金を目当てに、暮れのデパートはスリの書き入れ時です。これでは、盗ってくれと言わんばかり。警察の予想では今年の暮れは、スリの被害が戦後最高とのこと。われらの自家用車自転車は、動かすのも簡単なら盗むのも簡単。自転車泥棒には高級な技術はいりません。鍵をかけない自転車やスクーターは絶好の獲物です。かつては、暴力ポン引きの巣と言われたどんぐり橋は、水銀灯といかめしい投光器が輝いてすっかり明るくなり、観光京都の癌がラジウムならぬ電灯で手術できました。また、どんぐり橋のすぐ東に松原署の警備詰め所が設けられ、特別任務のお巡りさんがこの辺り一帯を警戒、暴力の取り締まりにあたっています。

暮れの街々は大虎小虎の氾濫。もうこうなっては手の施しようがありません。せっかくのお土産もご覧の通り。酔っ払い、毒です恥ですお父さん。お巡りさんに余計な手数をかけるのは程々にしたいもの。酔っ払いと並んで、犯罪も連日の新聞を賑わしています。一日中泣いたり笑ったりした観客を送り出すと、後は人っ子一人いない映画館。ヘルメットと警棒に身を固めた夜警さんが、ヤング映画そこのけの自衛ぶりです。ここは犯罪取り締まりの総元締め、京都府警察本部。出発前の訓示を受けるのは、捜査第三課員によって組織されているふくろう部隊です。普通の自家用車と一見変わりない覆面パトカーで出動。車で、あるいは徒歩で市内の繁華街を警ら。暴力専門で取り締まりに力を注いでいます。黒と白のツートンカラー、警察の花形パトロールカーは動く交番として昼も夜も走り続けています。

110番はあなたを守るダイヤルです。この寒空に、もし火の不始末で火事を出せばどうでしょう。自分だけでなく、他の多くの人々にも迷惑をかけることになり、せっかくのお正月も台無しです。消防職員は、人々の寝静まった深夜も休むことなく、火の守りについています。わたくしたちが安らかな眠りについた後も、警察は犯罪から、消防は火災から、市民を守るための努力が絶え間なく続けられています。



