「京都ニュース」No.100 昭和44(1969)年
この「京都ニュース」No.100 の映像は、立命館大学アートリサーチセンターに保管されていた16mm映写用フィルムを提供していただき、当館(おもちゃ映画ミュージアム)がテレシネ(デジタル化)したものです。

| 目次 | 総時間 |
| こどもを危険から守ろう~宝ヶ池子供のスポーツ広場開場 | 02:48 |
| 夏にひろう | 02:13 |
| 日脳ととりくむ | 04:02 |


あなたの子どもさんではありませんか?子どもたちは、どんなところでも遊びます。

あまりにも多すぎる、危ない場所。京都市では、市民のみなさんと一緒に、子どもを危険から守る運動を進めています。地域を見て回った富井市長は、お母さん方とこれからの対策を考えました。

この運動で、危険なところが市内に2000か所も見つかりました。できるものから、早速工事にかかります。川の縁にガードレール。

農家の人と力を合わせて、野壺に蓋を。今年は、住宅地に近い1000か所に柵や蓋をする予定。

危ない場所は1つも見逃さないようにと、溝の蓋1枚でも直しています。お母さん方も子どもを守るため、立て札を作って呼びかけ。この運動はこれからも続け、危険な場所をなくし、さらに安全な遊び場を作るようにしていきたいものです。

その先駆けとして、市では、宝池に、子どものスポーツ広場をつくりました。市役所前の広場も、日曜日には開放しています。他にも子どもが遊べるところがあれば、教えてください。

スポーツ広場の開園の日には、よい子たちと一緒に、市長、市会議長もフォークダンス。お母さんも、子どもたちと一緒に楽しい1日。明日の京都をつくる子どもたち。

遊びは、子どもたちの生活のすべて。のびのびと元気に育つように、私たち大人が、もっと考えなければならないのではないでしょうか。


「黒鉄の 夏の風鈴 鳴りにけり」。私たちの先人は、涼しさを、肌だけでなく心でも捉えてきた。激しさと哀しさを調和させた祇園囃子は、町衆の心意気を現代の若者に脈々と伝え、京童に夏の到来を告げる。

1000年の伝統を持つ、鞍馬の竹切り。法師が振り下ろす太刀には、豊作を願う人々の祈りが込められている。星空の下で繰り広げられるドラマ。カクテル光線に浮き彫りにされて、観衆を興奮のるつぼに引き入れる。

燦々と降り注ぐ太陽、豊かな水。自然は、我々に生命力を与えてくれる。夏。人も、木も、草花も、大きく、そしてたくましく成長する季節である。


恐ろしい日本脳炎のシーズンがやってきました。今年も、たくさんの人が予防注射を受けました。

市衛生局防疫事務所。伝染病が発生したとき、患者の収容や家の消毒などをします。新しく係もこしらえ、設備も整えました。また、日本脳炎などの伝染病を出さないように、予防にも力を入れています。日本脳炎の運び屋、コガタアカイエカのボウフラを探して、薬を撒いていきます。人家の間にある田んぼにも、薬を撒いてボウフラ退治。池、溝などでボウフラを採集して、その生態を調べます。成虫の蚊はどのあたりに多いか、どれくらい飛ぶのかなどを調べます。蚊は、ドライアイスから出る炭酸ガスにひかれて集まってきます。また一方では、集まりやすい河原や草原に蚊帳を吊って、蚊を生け捕り。防疫事務所の職員は、全部で32名。24時間、私たちを伝染病から守っているのです。集めてきた蚊やボウフラの研究。今までの調査で、蚊は一晩に4キロ以上も飛ぶことが分かりました。

富井市長ご自慢の、ヘリコプターによる薬剤散布作戦。日本脳炎を防ぐため、今年は1200ヘクタールの水田のボウフラ退治。京都のまちから日本脳炎を出さないようにと、防疫事務所の職員は、日夜、努力を続けています。



