「京都ニュース」No.51 昭和35(1960)年

| 目次 | 総時間 |
| 都心部に駐車場-四条烏丸・先斗町- | 01:16 |
| 嵯峨のおたいまつ-清涼寺- | 01:08 |
| 京人形 | 03:50 |


狭い道にひしめき合いながら走る車。京都市では、一年前から道を広く使う運動を始めていますが、こんなに路上駐車が多くては、車はおろか人も通れなくなります。そこで、近く駐車場整備地区として、東は鴨川、西は堀川、北は御池、南は五条に囲まれた地域を指定し、この地域には四条河原町付近の他、4箇所に1100のパーキングメーターを設け、それ以外の路上駐車を禁止する計画です。

また、木屋町蛸薬師と四条烏丸に有料駐車場が設けられ、車のラッシュの緩和に一役買うことになっています。今仕上げ工事を急ぐ四条烏丸駐車場は、およそ100台の車を収容。車を洗う設備も整えられ、将来は立体駐車場となる構想です。道路に溢れる車の対策は、大都市共通の大きな悩みの1つです。


3月15日は釈尊入滅の日。この夜、洛西・嵯峨釈迦堂清凉寺で古式ゆかしい年中行事の1つ、お松明が行われました。8時、本堂で釈尊の遺徳をしのぶ法要と法話があり、そのあと、本堂前広場に建てられた6m余りの3本の大松明に、厳かに法要が行われ、広場いっぱいに詰めかけた善男善女の祈りのうちにいよいよ火がつけられます。この、3つの松明の燃え上がり具合から、今年の稲の豊作凶作を占うというものです。

火をつけられた松明は、小雨模様の空にひときわ高く火の粉を吹き上げて、わずか4分ほどで燃え終わり、この燃え具合では今年は早稲・晩稲の出来がよいということでした。


古くから伝わる京人形。それは御所人形・衣装人形・節句人形・賀茂人形・嵯峨人形と多くの種類を数え、中でも御所人形は人形美の極致として、我が国の人形の王座を占めている。

美術的な作品の場合は、桐材を用いそれに胡粉を塗って磨きをかけ、目鼻を描く。大量生産される京人形のかしらは、桐のおがくずを生麩糊(※ニュース内では「なまふのり」と発音)で練り合わせ、粘土のようになったところで、かしらの型に押し入れ、2つ合わせるとかしらの生地が出来上がる。

出来上がった生地に、にかわで溶いた胡粉を塗り上げる。さらに、全体に何度も胡粉を塗りこんで乾かし、小刀で目鼻や口を形づける。これが人形師の腕の見せ所。89歳というこの老人形師の手先には、美への若々しい情熱が込められている。

顔を描き入れると、これに十分磨きをかけ、髪付師にまわす。衣装人形の髪付を終わったかしら。京都で作られるそれには、自ずと優雅な感じが滲み出ている。京都の典型的なかしら。次に、いよいよ着付けに回される。着付師は、そのかしらに合わせて桐の胴をこしらえて、手足を付ける。これらの風俗衣装には、絶えず厳しい時代考証が払われている。体の線1つに着付師の生命が懸けられている。

これらの人形師は、既に20年の歳月を人形一筋に打ち込んだ人々がほとんどである。今にも生きて歩き出すかと思われるような、これらの京人形は、こうした人たちの努力によって生み出され、国内はもとより外国にも得難い土産としてもてはやされている。



