「京都ニュース」No.68 昭和39(1964)年


| 目次 | 総時間 |
| 豆記者コンクール-文化財を火災から守ろう- | 00:54 |
| すすむ産業団地づくり | 01:50 |
| 市電のニューフェイス 朝は連結・昼はワンマン | 01:45 |
| 急ぐ環境整備-近代都市づくり- | 03:43 |


文化財防火週間の行事として豆記者取材コンクールが西本願寺で行われました。この日参加した豆記者は、市内31の中学校の新聞部員180名。取材対象はお坊さん消防隊や消防職員の消火活動です。

原稿用紙に鉛筆を走らす者、カメラのシャッターを切る者などこの催しを取材に来た本物の記者を尻目に水を浴びながらの大活躍です。

文化財を火災から守ろうと苦心の記事と写真は各学校新聞の紙面を賑わせました。


京都の産業はその99%までが中小企業で、ともすれば大企業に押されがちです。

これらの産業を守るため、同じ企業を立地条件の良い場所に集め合理化しようと産業団地づくりが盛んです。

300年の伝統を持つ清水焼も67企業が、山科の西、国道東山バイパスの南側、およそ6万平方メートルの地に集団移転し、現代の企業としてさらに伸びようとしています。

また、京都市の中央部にあって日頃激しい交通と狭い道路にその機能が停滞しがちの室町問屋街。これらの業者の一部が交通の便利な名神高速道路南インターチェンジの南東、およそ10万平方メートルに京都繊維産業団地を計画。近畿の室町をして発展しようとしています。

ここ南区久世の久世工業団地はおよそ6万平方メートルに土地に、板金、プレス、機械組み立て企業など22社を迎える予定です。

共同作業場や汚水浄化設備なども完成。この医療機械など各業種の産業団地計画が進められており中小企業の発展のために、また古い伝統の街京都の再開発のためにもこの産業団地づくりは注目を集めています。


朝は連結・昼はワンマン ―京都市広報課― 輸送力の増強と経営合理化の一石二鳥を狙った市電のニューフェイスが近くお目見えします。これは朝のラッシュ時には二両連結で運転。比較的乗客の少ない日中には一台ずつ切り離しワンマンカーとして走らせる我が国初めての連結・ワンマン兼用の市電です。連結器を切り離せば、乗務員は運転手一人だけのワンマンカー。乗客案内にはえいどめのマイクロホンは活躍します。乗車券を乗るときにいただくところが従来の市電とちょっと違っています。

便利な釣銭機もありますが、なるべく乗る前に15円をご用意ください。次の停留場で降りる場合は、車内の柱に取り付けてあるボタンを押していただきます。乗り降りはワンマンバスと同様、前から乗って後ろから降りる一方通行です。2倍の乗客を捌ける連結市電の乗務員は運転手1人、車掌2人の合計3人。朝のラッシュ時に烏丸通を走る予定です。赤い帯で仕切られたアイボリーとコバルトブルーのスマートな新型市電は従来のグリーンの車体に混じり京の街に新しい色どりを添えることでしょう。


オリンピック東京大会を目指して急ピッチで工事を進める東海道新幹線。夢の超特急の新京都駅が現代の駅の南側にその偉大な姿を現しました。全長430メートル、幅40メートル、高さ19メートルという降下駅はすぐ隣の京都駅の3倍。内外のお客様を載せた夢の超特急がこのマンモスプラットホームに滑り込むのは7月ということです。

新しい京都の玄関にふさわしい施設も次々と整えられています。その一つ、駅前に産業観光センタービル。地上9階、地下3階のこのビルには総合観光案内所の他、100室のホテル。物産陳列所などの施設が揃います。

ところで、東京オリンピック大会が開かれる今年の10月に京都を訪れる外国人はおよそ12万人と予想されています。で、京都市では観光協会や商工会議所など関係団体に呼びかけ、受け入れ準備委員会を作り、広い範囲にわたってプランを練っています。

まず問題になるのが宿泊施設。一晩5000人が京都の夜を楽しむことを予想。特別融資までして、日本旅館を外人向けに改装してもらった結果、6つのホテル、改装旅館、ユースホステルなどの増築などで受け入れの見通しもたっています。

ホテルや観光施設の整備も大切なことですが、国際文化観光都市京都にとっては清掃、下水道の整備が最も急がれる問題です。その一つがよこうじの清掃工場にまもなく完成する最新式のゴミ焼却炉です。この焼却炉はゴミの投げ入れから灰の取り出しまで全てがオートメーション。新焼却炉は現代の4つの焼却炉と同じ処理能力。1日ゴミ300トンを灰にすることができ、煙も匂いもださないという優れたものです。また、浸水や排水不良を無くし、水洗便所化を急ごうと京都市では10年計画350億円という巨費を投じて町の隅々まで下水道の敷設に今懸命です。京都の下水道の処理は近畿圏整備という大きな立場から見ても重要なポイントをもっています。鳥羽下水処理場も4月までに第2期工事を終わると処理能力は今の2倍となり、つづいて第3期工事と次々建設が進められています。世界の古都として名実ともに備わった国際文化観光都市京都を目標に近代都市づくりが進められているのです。



