「京都ニュース」No.99 昭和44(1969)年
この「京都ニュース」No.99の映像は、立命館大学アートリサーチセンターに保管されていた16mmフィルムを提供いただき、当館(おもちゃ映画ミュージアム)がテレシネ(デジタル化)したものです。

| 目次 | 総時間 |
| よいこにプレゼント~交通公園、青少年科学センター | 02:41 |
| 計量検査員の一日 | 03:19 |
| まちのドーナッツ化に備える | 02:45 |


今日も誕生する新しい命。この子たちを健やかに育てるのは、私たち大人の責任です。ところが、子どもたちの周りは車の洪水。昨年1年間に、36もの幼い命が、車の犠牲になっているのです。

遊びながら交通ルールが身に付くようにと、北区大宮につくられた交通公園。

五月晴れのこどもの日、富井市長も出席して公園開き。ゴーカートや自転車で小さなまちを走ります。横断歩道では必ず止まります。大人のドライバーも見習ってほしいですね。交通教室で勉強も始めています。小さい子どもには三輪車乗り場。車のない道で、楽しそう。本物の蒸気機関車もあります。京都のよい子のために、はるばる丹後からやってきました。2万㎡の敷地は、楽しい施設でいっぱいです。

一方、伏見区深草に青少年科学センターが完成。科学に強い市民を育てようと工夫された設備の数々。実験学習室や工作室、自由に実験や観察ができる展示室。プラネタリウムはいながらにして、星の世界へ案内してくれます。こうして、京都市の若い世代づくりは、着々と進んでいます。


上手なお買い物は、値札だけでなく、目方もしっかり見ることです。市の計量検査所。ものさし、はかり、ますなど、計量器と呼ばれるものが、正確か、使い方は正しいか、目を光らせているところです。準備OK、今日も定期検査に出かけます。お店やお医者さんの使うはかりは、年に1回、検査を受けなければなりません。経験豊かなタカハシさん。この仕事を始めて14年。トクダさんは、タカハシさんと組んで5年。合格したはかりには、刻印を打って、「合格」のラベルを貼ります。お店のはかりは、必ず受けてくださいね。定期検査が済むと、ガソリンスタンドの立入検査。タクシーやガス、水道のメーターも、正確かどうか、抜き打ちに調べます。

自動車や家庭でよく使われている、プロパンガスの検査。ボンベの重さを確かめてから入れてくださいよ。計量だけでなく、はかりの正しい使い方も指導しています。奥さん、ちょっと失礼。ベテラン・タカハシさんの目は厳しい。抜き打ち検査のほかに、街のお店やデパートで実際に品物を買ってきて検査もします。公設市場には、自由に使っていただけるはかりが置いてあるのをご存じですか。「少し足りないのじゃないかしら?」、こんなときはどんどん利用してください。今年の秋には、市内のほとんどの市場に置かれることになっています。計量検査員は、こうして毎日、消費者の生活を守っているのです。


都市のドーナツ化現象。田んぼや林に替わって立ち並ぶマイホーム。右京、伏見、山科のあたりは、急激に人口が増えてきました。

毎日、区役所の窓口に殺到する、異動届。ここに住む人々の暮らしを守るために、市は施設づくりに大わらわ。学校の新設。桂東小学校、桃山東小学校、安朱小学校が開かれ、子どもたちを迎え入れています。私たちの生活に大切な水道も、新興住宅街へと、工事は急ピッチ。ますます増える人口に合わせて、深草合同庁舎が仕事を始めました。区役所と保健所、それに誰でも使える市民ホールがあり、地域のセンターとして利用を待っています。富井市長も市民とともに、この完成を喜びあいました。

右京区川西出張所は、支所に昇格。保健所や水道局の仕事も一緒に行う、合同庁舎として誕生したのです。恐ろしい火事に備え、御室消防出張所ができました。

増える車。道路はますます狭くなっています。都心と西部を結ぶ動脈、双ヶ岡立体交差の開通。京都市は住みよいまちを目指して、今日も建設を進めているのです。



