おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2016.09.09infomation

突貫小僧

今朝は、NHKテレビ「おはよう日本」「おはよう関西」それにBS放送で、小津安二郎監督『突貫小僧』(パテ・ベビー版、1929年公開)が、ほぼ完全な形で見つかったと3回にわたって報道されました。

dsc07058-2dsc07056-2

全国放送だったこともあり、いろんな地域から「おめでとう」とメッセージが届きました。拙い文章を綴っているツイッターや私名義のFacebookもたくさんの人に読んでいただきました。ありがたいことです。7日付けで朝日新聞がupした英語版記事を書いた記者さんは、昨日の15時半現在で「Facebookで1300回以上シェアされていて、すごい勢いです。日本の貴重なフィルムの行方は、世界の関心事です」とコメントをくださいました。それ以降も含めると、世界中のどれくらいの人がこの記事を読んでくださったのか、とても興味があります。

早速アメリカから「来年上映会をしたい」とオファーがきたり、ドイツのサイレントピアニストから祝福のメッセージが届いたり、あるいは国内でも「上映したい」と問い合わせをいただいたりと反響があり、記者さんがおっしゃる通り、世界の関心事だと実感しました。

先ずは、10月13日から始まる京都国際映画祭に、多くの人が足を運んでご覧いただけることを願っています。どうぞよろしくお願いいたします。

 作品中に「坊やは 松之助の真似も 出来るんだよ」という字幕が出てきます。この作品が公開されたのは1929(昭和4)年。日本最初の映画スター・尾上松之助が亡くなったのはその3年前の1926(大正15)年のこと。亡くなっても「目玉の松ちゃん」は、子どもたちに、如何に人気があったかが窺い知れます。昨年は、尾上松之助最晩年の『(実録)忠臣蔵』(パテ・ベビーの完全版)が発見され、京都国際映画祭2015で上映。大きな話題になりました。今回の『突貫小僧』も同じ方から寄贈いただいたフィルムの中から見つかりました。寄贈者の方が、今回の報道を受けて、とても喜んでくださっていることも幸いです。

映画の中では、人さらいとその親分を翻弄する男の子・鉄坊役の青木富夫が、とにかく秀逸。彼はこの作品を機に、松竹蒲田の人気子役になり、この作品タイトルの「突貫小僧」を子役時代の芸名にしました。

dsc07065-2

これは、京都河原町周辺の映画館の看板を一手に引き受けていた「タケマツ画房」初代・竹田猪八郎さん(1976年5月死去。享年75歳)が描かれた数多くのポスターのうちの一枚です。『一人息子』も小津安二郎監督の作品で、出演者に「突貫小僧」(青木富夫)の名前が連なっています。これらの手描きポスターは、映画館前にスチール写真と一緒に貼られていたそうです。10月1日から、ミュージアムでは、猪八郎さんのお孫さんからお借りした貴重なポスターの数々を展示します。詳細は後日改めて。

記事検索

最新記事

年別一覧

カテゴリー