おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2016.10.21infomation

9月24日開催「パテ・ベビー」に関する研究発表会のレポートが届きました

9月24日開催「パテ・ベビー」について研究発表をして下さった小型映画研究家・飯田定信さんから当日のレポートが届きましたので、早速掲載します。

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「カメラから現像・編集、映写機まで~機材と技術からみたパテ・ベビー~」研究発表報告

                                                      

おもちゃ映画ミュージアムでは企画展示として「パテ・ベビーと小型映画機材」展を9月1日から24日まで行い、最終日となる24日にパテ・ベビー(9.5ミリフィルム)に関する研究発表と第2回パテ・ベビー映画祭を開催しました。当日の研究発表についてまとめました。

今回の研究発表は企画展示でも展示された私が収集したカメラ、映写機などの小型映画機材の現物を示しながら行いました。とくに現物から得られることに注目し、1922年に発表されたパテ・ベビー映写機と、翌年発表のパテ・ベビーカメラや撮影フィルムの性能や技術的変化について、戦前から戦後までその流れを辿りました。

パテ・ベビーには撮影・編集機材のほか、撮影済フィルムを自家現像するための現像器具があり、それらの機材を販売した伴野商店などの専門店について言及しました。当時発行された「パテ—シネ」などの専門誌や吉川速男による入門書にはそれらの機材についての解説もあり、ユニークなものとして子ども向けのパテ・ベビーカメラと映写機の自作本を紹介しました。

 パテ・ベビーと同時代の小型映画として1923年に登場した16ミリと1932年以登場した8ミリ(ダブル8)があり、9.5ミリとともにスリーサイズとして、さまざまなカメラ、映写機メーカーによる製品の出現がありました。1930年代前後には日本でもフィルムや映写機の国産化がなされました。また、スリーサイズを兼用する映写機も登場しています。

小型映画における映画技術の発展例として、カラー技術では、フィルム着色による9.5ミリのステンシルカラーや16ミリのコダカラーについて述べ、音声に関してはレコードトーキーや日本での9.5ミリ光学録音の試作を取り上げました。9.5ミリのカラーには「パテ—シネ」誌掲載のキネマカラーを模した方式があり、アマチュア考案の例として取り上げました。

小型映画の文化的広がりとして劇映画や短編をパテ・ベビーなどに縮小・再編集したグラフ映画があり、時事ものや小津作品の初期作品などが確認できることを当時の目録から示しました。

戦後のパテ・ベビーについても解説し、フランスでは1956年に9.5ミリフィルムに寄る新規格のデュープレックス方式が開発されるなど、1970年代まで製品が作られていたことがわかっています。日本でも同時期に戦後8ミリブームとなりますが、その頃には一部の専門店を除き9.5ミリの取り扱いは減った後でした。

最後になりますが、翌日25日のSpice Films主催の8ミリ現像ワークショップにもお手伝いとして参加させていただきました。フィルム文化の保存に微力ながら貢献できたら幸いです。

飯田定信

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左でマイクを持っておられるのが、飯田定信さんです。ご多忙の中、レポートを書いていただき、ありがとうございました。感謝しています‼

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【後日追記】

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この冊子の中に、飯田定信さんが書かれた「9.5ミリフィルムと戦前の日本の小型映画技術」が所収されています。末尾に「2016年9月24日の発表をもとにした」と書いてありますが、全文をお読みになりたい方は、冊子裏表紙に、振替番号00160-9-193692 ISSN2187-6908  定価本体1500円+税 と記載されています。ご参考までに。

 

 

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