おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2018.05.26infomation

4年目の特典用DVD「活弁と生演奏で彩る~おもちゃ映画の玉手箱」完成!

開館4年目の正会員・サポーター特典用に作ったDVD 『活弁と生演奏で彩る~おもちゃ映画の玉手箱』が出来上がりました。既に今年度の会費をいただいている皆さまには、順次発送しますので、今しばらくお待ちください。

早速第1号は、昨日ご自分でパテ・フィルムのテレシネ作業をされていた古川さんにお渡しし、喜んでいただきました。昨年の特典用DVD『柳下美恵のピアノdeシネマ~戦前のフランスとアメリカのアニメーションアラカルト』には、古川さんから寄贈してもらった3作品も入っています。今回のDVDにも同じように寄贈いただいたり、発掘して復元した映像を収録しています。多くの皆さまの善意が、こうして各種映画祭やイベントだけでなく、ご家庭でも楽しんで貰えることは、もし映像に言葉が話せるのなら、きっと「役立てることを嬉しい」と喜んでいることでしょう。活用してこその貴重な映像たちです。

今回の目玉は、何といっても昭和6(1931)年に作られた『茶目子の一日』(作画監督:西倉喜代治)の長尺版復元です。2016年1月25日大阪の雲州堂で今回活弁を付けてくださった大森くみこさんの『茶目子の一日』を見た時に、「何て面白いのだろう」と昂じた気分のまま大森さんに伝えたら、「あら、おもちゃ映画ミュージアムにも今日の上映したものより少し短いですが、同じ映像ありますよ」と教えられてびっくりしました。灯台下暗し。その時見たのは、サイレント映画に大森さんが歌を歌いながらの上映。

後に、今回お世話になったぐらもくらぶさんから、SPレコードを復刻した『和製オペレッタの黎明 浅草オペラからお伽歌劇まで』が発売され、その中にこのシュールなアニメーションを創作する元になった童謡歌手・平井英子が独唱する『茶目子の一日』(上)(下)も含まれていました。その時から、当時の人々が楽しんだままに『茶目子の一日』を復元したいと夢見ていました。

大阪の雲州堂で見た映像は神戸映画資料館所蔵のもので、当館に欠けている冒頭部分もありましたので、安井喜雄館長から映像をお借りして補い、その他の部分は双方の画像状態の良い部分を用いて画と音で楽しめるようにしました。音源中に現在使用がふさわしくないとされている表現が収録されていますが、歴史的資料としてオリジナルを尊重して復元しましたので、その点ご了承ください。

そして、もうひとつ平成版『茶目子の一日』も収録しました。こちらは茶目子役の大森さんの活弁に坂本頼光さんも加わって、東西人気活弁士の夢の共演に、関西で人気上昇中の天宮遥さんの即興演奏という超豪華版。ぜひ、昭和版と聞き比べてお楽しみください。

他に坂本頼光さんには『優雅な水遊び』(1924年、フランス)と『播州皿屋敷』(1929年、監督:賀古残夢)を、大森くみこさんには、「おもちゃ映画de玉手箱」として『ピー坊の海底征服』、『のらくろ二等兵 演習の巻』、『のらくら歓迎会』、『ベティの日本訪問』、『自動車競走』、『冒険ダン吉とポパイ』のおもちゃ映画アニメ―ション6作品と『ブッシュ家のポンコツ自動車』(1924年、アメリカ)に活弁を付けてもらい、合計11作品を収録しています。アニメに、チャンバラ、フランスとアメリカの喜劇とバラエティー豊かなラインナップです。どうぞ、お楽しみください‼

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