おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2018.08.30infomation

10月20、21日ドキュメンタリー映画「子どもに本をー石井桃子の挑戦」3作品連続上映会

10月27日~11月9日の読書週間に先駆けて、子どもの読書活動の発展に多大な貢献をした石井桃子さんのドキュメンタリー映画「子どもに本をー石井桃子の挑戦」3部作をまとめて上映します。

現・日本女子大学を卒業した石井さんは、勤めていた文芸春秋社時代の1933年のクリスマスイブにA・A・ミルン原作“The House at Pooh Corner”と出会います。少しずつ翻訳を始め、戦時中の1940年、岩波書店から翻訳本「クマのプ―さん」を出版しました。私達が良く知っているクマのプ―さんはここから始まりました。戦後は友人たちと宮城県で農場建設の為に開墾を始めます。後にここは「ノンちゃん牧場」と呼ばれます。ドキュメンタリー映画Ⅰは「ノンちゃん牧場」のタイトルでご覧いただきます。

1950年より岩波書店嘱託となり、「岩波少年文庫」の企画編集を始め、初めての創作本「「ノンちゃん雲に乗る」は第1回芸術選奨文部大臣賞を受賞し、後に鰐淵晴子主演で映画化もされました。団塊の世代の人は、この映画を学校巡回でご覧になった記憶があるかもしれません。1953年に戦後児童文学界に於ける業績が高く評価されて菊池寛賞も受賞します。「星の王子さま」を岩波書店から刊行した後、黄金期を迎えていた欧米の児童図書館と子ども本の出版状況を見ようと、留学を決意した石井さんは、1954年横浜港から出港。石井さんを待ち受けていたのは、生涯の友人になる児童図書館員と編集者でした。ドキュメンタリー映画Ⅱは「子どもと文学」のタイトルです。

1958年に東京・荻窪の自宅に児童書を揃え「かつら文庫」を開いた石井さんは、地域の子どもたちに本を開放します。子どもたちと向き合うことは、驚きと発見の連続でした。この取り組みは、後に公共図書館に於ける児童文庫の普及に大きな影響を与えました。現在の東京子ども図書館は同文庫を引き継ぐ形で設立されました。ドキュメンタリー映画Ⅲは「かつら文庫」のタイトルでご覧いただきます。

今も親から子へ、子から孫へと読み継がれている英国の絵本作家ビアトリアス・ポター原作「ピーターラビット」のシリーズは、1971年石井桃子さん翻訳「ピーターラビットのおはなし」(福音館書店)から始まります。他にも「うさこちゃん」シリーズ、「ちいさいおうち」など多くの優れた翻訳作品があり、顧みると私たちの多くは石井さんが翻訳された本を読んで育ってきたといっても過言ではないでしょう。

石井さんは、2008年に101歳で亡くなるまで、子どもたちの読書を支える活動をされていました。今年は「かつら文庫」60周年であり、県立神奈川近代文学館では、9月24日(月・振休)まで、「没後10年石井桃子展―本を読むよろこび―」を開催しています。様々な資料を展示し、関連イベントも多彩に展開されていますが、今回上映するドキュメンタリー映画「ノンちゃん牧場」は18日に終了してしまいましたので、同文学館での展示をご覧になってから、当館での上映をぜひご覧ください。

監督の森 英男さんは、実は連れ合いの教え子で、私も彼が大阪芸大生だった頃から知っています。思いやりのある彼の人柄も反映し、「本を読む喜び」を伝え続けた石井さんの人生を映した3作品を、彼の解説付きで上映します。京都でⅢの「かつら文庫」を上映するのは初めてのことです。一人でも多くの方にご覧いただきたいと思います。会場が狭く、先着30名となっていますので、早い目のご予約をどうぞ。

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