2020.02.07infomation
3月8日「天宮遙ピアノシアターin京都2」を開催します‼
3月8日13時半、「天宮遙ピアノシアターin京都2」をします。昨年3月10日に開催したのが第1回目で、
振り返り記事を書こう、書かねば、と思いながら1年が経とうとしていて、内心焦っています。途中まで書いて、そのままに。翻訳ボランティアをしてくださった吉川恵子さんの気付きも興味深かったし、その後私も調べていて興味深いこともあったのですが、如何せん、時間が不足して。いずれ。
昨年からチャップリン研究者の河田隆史さんに発表をお願いしていたのですが、当方の勝手で3月8日まで伸ばして貰っていました。河田さんには、2017年4月16日、128thチャップリン・バースディということで、「浮遊する街~『犬の生活』における闘争する敗者」のタイトルで研究発表をしていただきました。今回は「チャップリンとアメリカ文化」のタイトルで発表して頂きます。その内容について、河田さんは次のように仰っています。
「チャップリンは1916~53年までに29本の映画を制作したが、キリスト教会・牧師を風刺したシーンがある作品は10本で全体の34%である。これはアメリカの喜劇映画で飛び抜けて多い。これを作品ごとに見ていく」と。どうぞ、お楽しみになさってください。
ちなみに10作品のタイトルは①『悔悟』(1916年)②『勇敢』(1917年)③『公債』(1918年)④『サニーサイド』(1919年)⑤『キッド』(1920年)⑥『偽牧師』(1922年)⑦『モダンタイムス』(1936年)⑧『独裁者』(1940年)⑨『殺人狂時代』(1947年)⑩『ライムライト』(1953年)です。
今回ご覧頂くのは無声映画時代に活躍した三大喜劇王の作品ですから、音楽がないと始まりません。それでお馴染みの天宮さんに演奏をお願いしました。天宮さんの熱心なファンの方から、「今度天宮さんが演奏するのは、いつですか?」と問い合わせを頂くので、その期待にも応えたいと、タイトルを「天宮遙ピアノシアターin京都2」にして、彼女のオリジナル曲もたっぷり楽しんで頂く内容盛り沢山で贅沢なイベントを練り上げました。どうぞ、お楽しみになさってください。
上映する作品の見どころを河田さんに教わりながら紹介しますと、
『チャップリンの移民』(The Immigrant 1917 年 24分)は、前半の揺れる移民船上と、後半のレストランの2場でできています。撮影は後半から始まりました。当時のチャップリン映画には台本がなく、撮影しながらストーリーを作っていきました。この映画も当初はアメリカ移民の話ではなく、パリの洒落たレストランでの騒動という設定でしたが、テーマは変更され、『チャップリンの移民』はチャップリン短編映画時代の傑作となりました。
自由の国アメリカに夢を求めてやってくる移民には、厳しい現実が待っていました。その厳しい生活をコミカルに描いています。アメリカ上陸直前の船上で、自由の女神を見て感激する移民たちは、移民管理官にロープで押さえられて自由を奪われます。
『キートンの鍛冶屋』(The Blacksmith 1922年 23分)について、キートンは大道具を使用したギャグを多く取り入れますが、この作品も冒頭から背の高い栗の木や、ムキムキの筋肉、珍妙な馬の鞍などが出てきます。キートン映画の面白さは、道具たちのアナログな動き。その動きの原理はニュートン力学ではなく、キートン力学で説明されます。磁石で遠いところにある拳銃を引き寄せたり、小さな風船による浮力で自動車を浮かせることは、キートン力学では可能に。サイレント喜劇ならではの動きを提供しています。
『ロイドの猛獣結婚』(The Non Stop Kid 1918 年、18分)は、ロイドの初期作品。彼は1915年に「ロンサム・リューク」というチャップリンの物真似キャラクターで主役として売り出そうとしますが、もう一つ売れませんでした。そこで、1917年にキャラクターを変更し、丸メガネ(ロイドメガネ)とスーツ姿の気弱な青年を演じたところ、大ヒットしました。『ロイドの猛獣結婚』は珍しい作品で、今回の上映は貴重な場といえましょう。
1910~20年代は、サイレントの短編映画全盛期。それで「ニコニコ大会」と呼ばれていたのだそうです。チャップリンは社会風刺、立場の弱い人、地球規模で考える先進的な面があったから人気があり、トーキーの時代になっても生き残れましたが、残念ながらロイドやキートンは人気を維持できませんでした。
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天宮遙さんからも、メッセージが届きましたので、以下に紹介します。