おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2025.05.19information

6月14日催し「祇園祭と弓矢町-半世紀ぶり武者行列復活!」を開催します‼

6月14日(土)13:30~、「弥栄ふれあいサロン」(京都市東山区祇園町南側551番地)で、催し「祇園祭と弓矢町-半世紀ぶり武者行列復活!」をします。実施日まで1か月を切ってのお知らせなので、できるだけ多くの方に参加して頂きたく、関心がありそうなお知り合いにもぜひご紹介ください。

日本三大祭りのひとつ「祇園祭」のハイライトは山鉾巡行でしょうが、これはお神輿の通る道を清めるもの。巡行が終わったあとの7月17日夕刻、いよいよ御神輿が御旅所に向かって出御されると、かつては、その先導役に鎧兜を身に着けた人々が歩き、警護や露払いの役割をしていました。それを代々担っていたのが弓矢町の人々でした。ところが諸般の事情でそのご奉仕が難しくなり、止むを得ず半世紀前に途絶えたのですが、「何とか復活を‼」という声に応えて、今年7月17日武者行列が復活することになりました。

これは5月11日付け京都新聞。この大将が身に着ける甲冑を修復された鎧廻舎(よろいのや)さんは、私どものミュージアムから徒歩1分という至近距離にあります。1月22日にアメリカのランドルフ・メーコン大学の学生さんたちが来館された時には、良き日本文化に触れてもらう体験になればと思って、ダメもとで鎧廻舎様にお願いをして、通常非公開のところを見学させていただきました。その頃から今回取り組む催しを構想していました。10日にお会いした大将役の山中秀起さんは馬に乗って行列されるそうで、乗馬の練習にも取り組んでおられることでしょう。

 

引っ越しがやや落ち着いた4月25日、先生方にお越しいただいて、初めての顔合わせをしました。発案者は右手前の高木博志京都大学名誉教授。その奥に10年ほど前から弓矢町にお住いの浅子逸男花園大学名誉教授、左手奥に下坂 守京都市歴史資料館館長です。高木先生と下坂先生は八坂神社の古文書研究をされていて、祇園祭の歴史的背景をよくご存じですので、ぜひお二人にご講演をと思っていたのですが、高木先生のご都合が悪くなり、結局下坂先生に「描かれた武者行列」と題してご講演いただき、浅子先生には司会進行をお願いすることになりました。日時、催しのタイトルなどを決め、この時点では当館で開催のつもりでいました。けれども「より多くの人に参加してもらえるように」という声が耳に届き、会場探しに右往左往。そして昨日漸く、弥栄ふれあいサロンで実施することが決まりました。会場決定には八坂神社宮本組様のご協力を得ましたこと、ここに記して深く御礼を申し上げます。

10日にご挨拶にお見えになった弓矢町の皆様にも何かとお世話になり、6月14日にはご町内にお住いの山中信寛さんに「かつての武者行列について」をテーマにお話をしていただきます。聞き手は弓矢町の古文書調査をされている佐藤弘隆愛知大学准教授です。

下坂先生から、もう少し詳しく書かれた概要が届きましたので、ご紹介します。

………祇園祭には昭和49年(1974)まで神輿を先導する武者行列が弓矢町(ゆみやちょう)から出ていました。弓矢町は清水寺への参道(「清水坂」(きよみずさか)」という)の入口に位置し古くは「坂(さか)」(地名)と呼ばれ、そこに住む「坂者(さかもの)」は穢を祓い清める力を持つと信じられていました。祇園祭ではその特殊な能力をもって六人の坂者が神輿の先導を勤めました。近世になると、その六人の坂者のあとに甲冑を身につけた華やかな武者たちが多数付き従うようになります。これが「武者行列」で、この行列は時代とともに華やかさを増していきます。そのあでやかなありさまをさまざまな絵画から選び出し見ていきます。………

 

当日は最初に当館所蔵の武者行列の映像を見ていただきます。四条御幸町(チラシには四条麩屋町となっていますが、御幸町が正しいので訂正します)あたりでパテ・ベビー(9.5㎜)を使って撮影したホームムービーで、前後の映像から御大典が挙行された1928(昭和3)年頃のものではないかとみています。短い映像ではありますが、往時を記録した貴重なものです。そんなことなどを思いながら、当日の計画を練っていた5月16日、市内にお住いの友禅作家黒田庄七郎さんご夫妻が来館。黒田さん宅のおじいさまが遺された16㎜と9.5㎜のフィルムの中からいくつかを持参されたのですが、その中に「昭和11(1936)年7月17日祇園祭山鉾巡行 武者行列御輿」と手書きされたアローフィルムの缶入り16㎜フィルムがありました。

「何と、タイムリーな!」と狂喜しましたが、残念ながらそのフィルムの劣化具合は凄まじく、強烈な酸っぱい臭いを放っていました。

外側はルーペで覗くと上の写真のような具合で期待しましたが、そうした部分は極僅かで、ほとんどの部分は、スプライサーで繋ぐ先から切れて、繋いでは切れてを繰り返し、

再生は難しく、断念せざるを得ませんでした。結局、期待した武者行列の様子は見ること叶わずでした。残念ですが、せめて6月14日は上掲の缶を会場に展示します。古いフィルムは保存環境によって、こうした違いがあることを是非とも覚えておいてください。缶に入れっぱなしは、危険です。

講演会会場は、四条通りに面した八坂神社西楼門から徒歩5分。旧弥栄中学グラウンド内にある“弥栄ふれあいサロン”です。開場は13時。参加費1500円(現金のみ)で、先着50名です。お申し込みは電子メール info@toyfilm-museum.jp  または、おもちゃ映画ミュージアム電話075- 496-8008(金曜~月曜の10:30~17:00)にてお願いいたします。

皆様のご来場を心よりお待ちしております。

【追記】6月14日は、上記催しのため、おもちゃ映画ミュージアムを臨時休館とします。悪しからずご了承くださいませ。

 

 

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