おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2025.05.15information

6月14日~7月6日【柳井イニシアティブ】紙フィルム上映会『知られざる日本アニメの源流』開催‼

5月13 日に公開になったようですが、6月14日~7月6日に【柳井イニシアティブ】紙フィルム上映会『知られざる日本アニメの源流』が、東京、新潟、京都、大阪、愛媛、広島で巡回上映されます💗

プログラム1「日本アニメの誕生から紙フィルムまで」

プログラム2「紙フィルムの世界」

プログラム3「無声映画の上映」

SNSで「なぜ九州に来ないのか?」という書き込みを見ましたが、東北や北海道の人たちにもご覧いただきたいところではありますね。

当館にお越しの、とりわけ海外の人々は、紙フィルムの説明をして映像をお見せすると、 “Cool‼”と言って、大変興味を持たれます。1932年東京の印刷屋さんが特許を取得して製造を開始し、遅れて大阪の家庭トーキーも製造販売しました。もう一社、月と星のマークの水中商店も作っていたことが最近の研究で分かっています(画像は、紙フィルムプロジェクトより)。

下掲は2023年紙フィルムの展示用に作ったチラシです。

右上にレフシーの紙箱、右下に送り孔が一つあるレフシーの紙フィルムが載っています。左端縦に並んでいるのが送り孔が二つある家庭トーキーの紙フィルム、中央にその紙箱と手回し映写機。左下には、絵と音を同期して楽しむ家庭トーキーのレコードを載せました。

このレコードと紙フィルムを寄贈して頂いて、すぐに試してみた時の様子をYouTubeで公開しています。

寄贈いただいた映写機を使って、さっそく紙フィルムを映写しているところ。たまたま訪ねて来てくれた彼女たちは、今から考えると凄くラッキーな体験でしたね。

エリック・ファーデン教授らの素晴らしいデジタル技術では映像はとてもクリアーですが、往時の人々が楽しんだ映像は、このようなものだったのではないかと思います。電気も今のようにふんだんに使うことはできませんし、きっと薄暗い中で、じっと目を凝らしながらご覧になっていただろうと想像します。モノクロフィルムの時代でしたが、カラー印刷ができましたので、動くカラーの漫画が、場合によってはレコードの音楽と一緒に楽しむことができました。アニメーションだけでなく、時代劇や戦争モノの実写版もありました。

歴史的に見れば1931年の満州事変をきっかけに、紙フィルムが考案された1932年に日本は“満洲国”を建国、日中関係は緊迫化します。そして1937年7月7日に盧溝橋事件が起こり、日中全面戦争に突入します。戦争が激化するのに伴い、様々な統制が敷かれ、金属や紙などが入手しづらくなり、ついに1938年に製造禁止令が発令されます。紙フィルムは戦後も復活することはありませんでした。本当に短い間しか流通しなかったので、やがて人々の記憶からも失われていったのですが、コレクターの人が大切にしまっておいてくださったおかげで、90年近くたった今、アメリカのメディア考古学研究者エリック・ファーデン教授とその仲間の皆さんによって、デジタル化する技術が考案され、蘇ることができました。日本のみならず海外の皆様にもその映像を見ていただける状況になったことに、大きな拍手を送ります。

紙フィルム上映会の案内が載っている柳井イニシアティブのサイトからツアースケジュールを抜き書きすると、

・6月13日(金)東京の早稲田大学小野講堂で、バックネル大学エリック・ファーデン教授による講演とデュオ夢乃(箏とチェロ)の演奏と片岡一郎弁士の語り付き上映。

・6月14日(土)東京の新文芸坐で、プログラム1と2

・6月21日(土)と22日(日)新潟の高田世界館で、プログラム1と3

・6月25日(水)京都府立文化芸術会館で、プログラム1と2

・6月26日(木)大阪のシアターセブンで、プログラム1と3

・6月28日(土)と29日(日)愛媛の常設活動写真館 旭館で、プログラム1と2と3

・7月6日(日)広島市映像文化ライブラリーで、プログラム1

当館からも、おもちゃ映画のアニメーションを提供していますので、お楽しみいただけると幸いです。

ツアーに関し、入場料、開始時間、プログラム、出演者などの詳細については、それぞれの会場サイトで確認して下さいということです。試みに京都府立文化芸術会館を検索してみましたが、まだ載っていませんでした。楽しみに待ちたいと思います💕皆様も、是非に。

 

 

 

記事検索

最新記事

年別一覧

カテゴリー