おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

夏の夜の花〈仲夏夜之花〉 / 高橋伸彰監督作品 2022年1月19日(水)~23日(日)10:30~

夏の夜の花〈仲夏夜之花〉

2018年、高橋伸彰監督作品(中央戯劇学院博士学生自主制作作品)、DV、カラー、ビスタサイズ、24分

あらすじ

大阪で生活する中国系の母と子。4歳になるヤンヤンは父と数ヶ月会っていない。彼はかつて父が描いた花火の絵を見つける。それを見た母はヤンヤンに花火を見に行く約束をするも、その約束を忘れてしまう。

制作意図

この数年、インバウンド効果により海外からの訪日旅行客がますます増え、東京や大阪などの街中を歩いていると様々な言語が飛び交うのが聞こえ、その中でも特に中国語が耳に入る割合が非常に高くなったように思う。今や、中国、台湾や香港など中華圏の国と地域にとって日本はより身近な存在になったことは明らかである。しかし、日本で生活する外国人はどうであろうか。言葉や考え方の違いから生じる孤独感、失望、そして国籍の壁にぶち当たりながら、それでも前を見つめて 生きている。 本作で描くのは大阪で生活をする中国系の若い世代である。ストーリーは留学中に恋愛を経て子供が生まれ、いつしかお互いの心がバラバラになった母親と 3 歳の子供、そして父の姿を本作の柱に置く。家族が一体となって共有する時間と空間 が減った今日、日本においても社会問題と連なる普遍的なテーマであり、そしてまた、背景や形は異なれども中国でも社会問題の1つとなっている。社会と子供のあり方は各国で異なれども、この作品が文化や国籍、人種の違いを超えた共有できるテーマとして捉える事ができればと思う。

キャスト

梅舟惟永・林恒毅・ジャック・リー・リー、谷原広哉

スタッフ

制作:田中洋崇、脚本・監督:高橋伸彰、撮影:谷康生、照明:中瀬慧、美術:野崎無大・王慧苑、音楽:孟令述、録音:●笠智哉、編集:故国●・高橋伸彰

コメント

(監督経歴)
高橋伸彰 / Takahashi Nobuaki(4 月 14 日,奈良県出身)大阪芸術大学映像学科卒業。
2011 年に北京に赴き、中国語を勉強。翌年に中国政府奨学金を受け招待留学生として中央戯劇学院に在籍する。
2018 年、中央戯劇学院映画学科の博士課程を修了。博士論文テーマは川喜多長政の戦時中における中国での映画製作。中国で様々な映画製作に従事する一方、近年は俳優としても活動している。
これまでの主な監督作品:
2007 年「葛城天使」(16 フィルム,30 分)
2009 年「地上からの観測」(75 分)
2011 年「日本ドキュメンタリー上映会 Real in 北京」オープニング映像(3 分)
2014 年「地上地流星群」(30 分、中国語)

 

(出演者経歴)
梅舟惟永 /Umefune Ariei(1 月1日,東京都出身)早稲田大学法学部卒業。劇団《ろりえ》団員。
2013 年 「ガラスの家」(NHK テレビ)
2015 年 「64-ロクヨン-」 (NHK テレビ)
2018 年 「3D 彼女リアルガール」 (映画)
2018 年 「空と東京タワーの隣の隣 」(舞台)等
映画ドラマへの出演の他、番組などのナレーションも務めている。

 

ジャック・リー(李遠)/Jack Li (4月4日,カナダ出身)中央戯劇学院演劇学科卒業。
2013 年 舞台「未完待読」
2015 年 舞台「滷煮」
その他、中国国家活劇院での台本の翻訳や演出助手、また様々な舞台でも制作を務めている。
英語と北京語(中国標準語)の他に広東語が堪能である。

 

林恒毅 /Hayashi Kouki (1月9日,埼玉県出身)
父が日本人、母が中国人の家庭にて生まれる、本作出演時は3歳。
現在は中国に在住。

 

谷原広哉 / Tanihara Kosuke (6 月 22 日,富山県出身)桐朋学園芸術短期大学卒業。
桐朋学園在学中に中央戯劇学院にて公演した「リチャード 3 世」(リチャード 3 世役)が賞賛され、 2013 年に中央戯劇学院より特待生として招待される。
主な出演舞台に「砂男」「ロミオとジュリエット」「オセロ」「フィガロの結婚」等。その他、番組での声優やナレーションなども務めている。
また近年、マカオにて舞台「生之葬礼」にも出演している。