「京都ニュース」No.93 昭和43(1968)年
この「京都ニュース」No.93 の映像は、立命館大学アートリサーチセンターに保管されている16㎜フィルムを提供していただき、当館(おもちゃ映画ミュージアム)でデジタル化したものです。

| 目次 | 総時間 |
| 水害シーズンに備えて | 02:22 |
| 京都薪能 | 00:43 |
| 南青年の家オープン | 01:53 |
| ホームヘルパーの一日 | 03:28 |


水害は、わたくしたちの家を、土地を奪い、命さえも脅かします。この災害に備える京都市の対策は。長い間、観月橋付近の水害の原因になっていた山科川もきれいに整備されて一安心。

低いところに流れ込む水を川へ送り返すために、伏見区には、こんなポンプを2ヵ所こしらえました。これで、いざという時には全市で15ヵ所、29台のポンプが働きます。雨が降ると暴れ回る川には、やはり堤防の手入れが肝心。 桂川、千丈川と工事は進んでいます。

しかし、なんといっても相手は大自然のこと。万一に備えて、今から水難救助と水防の訓練。杭、土俵、ロープ、それに無線など、いろんな道具と方法を動員して水を防ぎ、人を助けます。地元の消防団をはじめ、みんなが力を合わせて水と戦った一日でした。もうすぐシーズン。おたくの対策は大丈夫ですか。


今日の初夏を彩る薪能。赤々と燃えるかがり火が各流派の名手の舞台に風情を添え、若い人も交じる観客たちを幽玄の世界へ誘い込んだひと時でした。


お待ちかねの南青年の家が完成しました。青年の家は、働く若い人たちが一日の仕事を済ませてから、仲間たちと自由に語りあったり、スポーツをしたり、本を読んだりできるみんなの施設です。

ゆっくりと寛げるロビー。将棋や碁も楽しめますし、1人で来ても相手には事欠きません。お茶やお花の稽古をする和室。お料理の講習も開かれます。体育室。一日の疲れも嫌なことも吹っ飛んでしまいます。たくましい身体を作り上げようと大張り切り。富井市長も若い人たちは大好き。若者と語る市長の胸の内には、青少年のための秘策が次々と考えられていることでしょう。

音楽室、図書室。かたい本やむつかしいレコードばかりではありません。バレーとテニスができるグラウンドはナイターもOK。こうして元気に遊び語り合うひと時が、明日からの仕事への意欲を生み、日本の将来を担っていく若人を育てていくことでしょう。


ホームヘルパー。日本語で言うと家庭奉仕員。主に身寄りのないお年寄りのお宅を回ってお手伝いをしています。

今市内で30人の奉仕員が活躍しています。その1人、東山区を担当しているカワギシさんはヘルパー5年のベテラン。週1回のこととて、することはいっぱい。

お買い物も、少しでも安いものをと遠くまで足を延ばします。1人暮らしのおばあさんの愚痴を聞いてあげたり、相談に乗ったりするのも大切な仕事。

このごろは物価が上がって暮らしにくくなってきましたねぇ。今年から身体障害者の家庭へも訪問することになりました。体の不自由な人達にとって、この世の中は人一倍暮らしにくいもの。

手となり足となって。福祉事務所に帰って一日の仕事を話し合うヘルパーさんたち。ここでは所長さんの方が相談相手になっています。

カワギシさんも一日の勤めが終わると、お孫さんの出迎える家庭へ。息子さんたちとの団らんのうちに一日が暮れていきます。

今日も出かけるヘルパーさん。お年寄りや体の不自由な人達の為に、政府も市も、もっと力強く取り組むことが望まれています。市民の皆さんも一緒に考えていただきたいものです。



