「京都ニュース」No.94 昭和43(1968)年
この「京都ニュース」No.94 の映像は、立命館大学アートリサーチセンターに保管されている16㎜フィルムを提供していただき、当館(おもちゃ映画ミュージアム)でデジタル化したものです。

| 目次 | 総時間 |
| 動き出した新山科浄水場 | 01:13 |
| こども市会…自治71周年記念 | 01:03 |
| 働く母と子のためにー保育所つくり | 02:10 |
| 食品衛生監視員の一日 | 04:30 |


新山科浄水場が給水を始めました。増えてくる水の需要に備えて、昭和40年から工事に取り掛かっていたもの。こうして一日2万4000tを山科や深草の一体に配水することになりました。

総工費58億円、一日の吸水能力15万tを持つ新山科浄水場が全部完成するのは昭和45年の予定で、山ノ内、蹴上に次いで3番目の大きな浄水場になります。どんどん増えていく住宅、それにつれて必要となる水。きれいな水をたっぷりお届けするため、着々と計画が進んでいます。


「ただいまから、児童模擬市会を開会致します。議第1号、交通安全わたくしたちの誓い制定についてを議題といたします。市長さんの説明をお願いします。富井市長さん。」「わたくしたち人間はこれで本当に幸せなのか...疑問を感じることが多々...」かわいい市会議員さんの登場。これは京都市の自治70周年を記念して、市内の小学生による子ども市会。

「学校では、ここ2、3年間、特に交通事故をなくするために毎月...信号機や標識などで、安全...」「事故をなくするために、大変努力しておって...」子ども達の厳しい質問に市長・教育長もタジタジ。京都の街から交通事故をなくすために、子ども達は一生懸命です。大人ももっと考えてほしいと訴えていました。

交通安全「わたくしたちのちかい」 1 わたくしたちは、いつでも、どこでも交通ルールを正しく守ります。

2 わたくしたちは、どんなときでもあわてずに、ちゅうい深く行動します。 「実技を通して学習しています。このような学習の際には、父や母にも来てもらって、親子交通教室の形をとっています。また、1学期に2度、全校一斉下校を実施しています。この方法は本校の...」「これより、表決をとります。本案は原案のとおり可決することに、賛成の方は起立を願います。」

3 わたくしたちは、交通のしくみをよく理解し、交通事故のない明るい社会をつくるため進んで協力します。


(※『おはなしゆびさん』) 増えてきた働くお母さん。その悩みは保育所が少ないこと。子どもを安心して預けられる保育所がたくさん欲しいですね。

(※『マーチング・マーチ』) こうしたお母さん方の願いに応えようと、京都市は保育所作りに力を入れています。工事を急ぐ淀保育所。10月には小さな主人公を迎える予定です。

9月に開かれた壬生保育所。久世保育所も完成しました。どうもお待たせしました。保育所はまだまだ足りないのですが、京都市は昨年から3年間に30ヵ所を作る計画を進めています。来年の春にはさらに5つ出来上がります。日本の、京都の将来を担う子ども達。優しい保母さんに守られて健やかに育っていくことでしょう。


夜明けとともに始まる食品衛生監視員の仕事。食品衛生監視員は市民の健康を守って毎日38人が市内を回っています。下京保健所のクボさんもそのひとり。食中毒のよく起こる折詰弁当。料理は綺麗な手で願いますよ。易しいようで難しい手の洗い方、もっと消毒液をつけて。おいしそうなお弁当。ばい菌が付いていないか、ちょっと頂いて帰ります。悪い食品添加物は使っていませんか。まな板や包丁は滅菌したガーゼに拭き取って調べます。お皿やお茶碗は大丈夫?ちょっと油が残っているようですね。なんといっても直接扱う人の意識が大事と、従業員の講習も何回か開いています。市場の豆腐屋さん、食料品店、魚屋さんにも巡回指導。観光京都のお土産の検査も大切。登録票はありますか。忙しいところお邪魔しますがちょっと見せてください。

持って帰った食べ物は保健所でまとめて検査。悪いものには警告や指導します。食べ物にあたったり、おかしいなあという時はいつでもご相談ください。新しく飲食店を開く方のご相談にも応じています。

食べ物Gメン・クボさんの仕事は夜も待っています。せっかくお楽しみのところ、無粋なことですみません。京都市は市内から食中毒を出さないように食品衛生監視員の活動を通して市民の健康を守っています。市民のみなさんも気をつけて欲しいものです。



