おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2017.04.28infomation

4月16日チャップリン初期作品に生演奏をしてくださった古後公隆さんからレポートが届きました

chaplin - コピー

地域のお店と連携して初めて取り組んだ上掲催しを無事終えることができました。当日の様子はこちらでも書きました。ご多忙にもかかわらず研究発表をして下さった河田隆史さん、そして、素敵な生演奏で上映を盛り上げてくださった古後公隆さんに心から御礼を申し上げます。そして、駆けつけてくださった古後さんファンはじめ参加して下さった皆様にも深く御礼を申し上げます。

その古後さんから、早速当日のレポートが届きましたので掲載します。

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 冬の間に、新京極のmovix京都と、東銀座の東劇にて数週間に渡ってヒッチコックの作品を6本演奏していたのですが、そのときに僕の演奏を聴いていただいた方からのご報告がおもちゃミュージアムさんに伝わり、それがご縁で今回の企画に参加させていただける運びとなりました。こちら四条大宮は、ほんとにしょっちゅう通る界隈なんですが、こんな素敵な映画ミュージアムがあることに今の今まで全く知らず、出会えた感動を改めて噛みしめている次第です。

 チャップリン作品は自分の中で重要な位置を占めています。チャップリンのデビュー作「シーフキャッチャー」の世界初公開での演奏、羽佐間道夫さん、野沢雅子さん、山寺宏一さんたち十数名の声優さんの活弁&合唱(!)と共演させて頂いた「勇敢」など、今も鮮明に記憶しています。
そんなチャップリンでもあるので、思い入れもひとしお。 急遽きまった128thチャップリン・バースディイベント、共にお祝いすることが出来て、うれしく思います。
 
 演奏させていただいた作品は2つ。「ノックアウト」と、「チャップリンの替玉」。
どちらも警官が登場します。普段は折り目正しく、正義の味方である警官が、とんでもないアクションを展開し、笑いを誘います。
 
特にキーストンコップス、これは検索していただいたら分かるかと思いますが、警官に扮したアクションコメディー集団であり、前述のチャップリンのデビュー作や今回の「ノックアウト」でも大活躍しています。
ロープに引きずられたり、屋根の上を駆け回ったり、作品によっては車ごと吹き飛んだりなど、現代のアクション映画顔負けです。
当然のことではありますが、CGなどを使わず、全て手作業で作られていること、また、キャップにボタンの可愛いコスチューム、馬車のようなたたずまいのクラシックカー、レトロな電話など、アイテム全てがまるでおもちゃのようであり、名の通りこちらのミュージアムで上映するにふさわしい作品でした
 
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当時は映画の発展だけでなく、交通網が発達して世界が一気に狭くなった時代でもあり、人々の感覚に相当な変革がもたらされたのではないかと思います。
その影響もあってか、当時の音楽にも、それまでと比べると音にもの凄い動きが感じられます。個人的にこの20世紀初頭の音楽にはとても興味があり、サイレント映画で演奏するときは特にそのサウンドを意識しています。
 
ノックアウトに出てくるピストルやロープ、替玉のエスカレーターやエレベーターなど、生活が豊かになると同時に感覚を狂わせてしまうアイテムの数々。面白くそして狂気的でもあるそれらの仕掛け、エネルギーなどを、音で表現できたらと思って演奏しました。
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当時の映画とは、セリフが無い以上、言うまでもなく「動く写真」だったわけです。なので、トーキー以降のどちらかというと演劇の延長ともとれる映画とは、別ジャンルだと捉えています。
つい時代順に考えてしまうので、音声が無い分、未発達の世界のように思われがちではありますが、そうではなく、ひとつの個性を持った世界観がそこにあるはずですし、そう考えたほうがきっと面白いものになると思います。
20代のころ、クラブで流れる抽象的な映像を背景に、チェロでDJと共演するイベントをしばしばやっていたのですが、これに近い気がしています。
 
ということで、イベントのレポートというよりもサイレント映画そのものについてのエッセイのようになってしまいましたが、こちらでの初めての演奏ということもありますのでどうかご容赦ください。
 
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最後にイタリアンでいただいたデザートは、その名も「抹茶プリン」(笑)。視覚、聴覚につづいて味覚まで楽しめる、素晴らしいイベントとなりました。ありがとうございました。
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キーボードとチェロを使っての演奏は、とても見応えがありました。綴られた「その影響もあってか、当時の音楽にも、それまでと比べると音にものすごい動きが感じられます。個人的にこの20世紀初頭の音楽にはとても興味があり、サイレント映画で演奏するときは特にそのサウンドを意識しています。」を読んで、当日の演奏を思い出しながら「なるほど」と思っています。日本のサイレント映画は多くの場合、活動写真弁士それぞれが書いた台本で説明し、演奏家自らが作った曲を演奏して上映します。今回は欧米でサイレント映画を楽しむ場合と同じように、演奏のみで上映しました。当然演奏家によってその個性が発揮されるので、同じ作品でも印象が異なるのが醍醐味です。
 
その上映の様子を一部ですが、動画で公開しました。古後さんのチャップリン・ワールドをぜひお楽しみください。古後さんは「生演奏付きの無声映画をいろんな形で展開して行きたい」とおっしゃっていますので、これからも彼の演奏付きで映画を楽しむ機会は増えていくことでしょう。ご注目ください‼
 

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