おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2018.02.15infomation

2月24日「京都の魔を祓う剣鉾」をテーマに、作品上映と解説開催

2月24日14時から、JIDF(日本文化デザインフォーラム)の大森康宏ラボ「民族誌映像から新たな世界展望へ」による平成29年度第1回作品上映と解説の催しを開催します。

2月11日に、今回解説をされる国立民族学博物館名誉教授の大森康宏さんと京都市文化財保護課の福持昌之さんが来館され、当日の打ち合わせをしながら、いろんなお話を聞かせてもらいました。もともと伝統行事、地域の民俗に興味がある私には至福の時間となりました。かつて、記紀神話に「海幸彦」の子孫として描かれる「隼人」に夢中だったこともあり、吠声を発しながら行幸の先頭を行き、道を清める隼人の任務と共通するものがあるのではないかと興味津々です。

神輿渡御の先陣を行きながら、周囲の悪霊を集め清める役の人は勅祭石清水祭などでも見られますが、今回ご覧いただく映像は京都の西院春日神社、須賀神社、下御霊神社での祭礼時の剣鉾の記録映像です。お二人と共に、実際に鉾差しを務めておられる藤田修さんにも加わっていただきながら、解説をしていただきます。

以下に主催者からの剣鉾上映会企画趣旨文を掲載します。

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 京都市内の約50の社寺の祭礼に登場する剣鉾は、神輿の巡幸路を浄める祭具であるとともに、神社の御神宝ではなく、鉾町や鉾仲間といった地域住民の集団によって護持されてきたという点で、祇園祭の山鉾と同様の性格を持っている。

 剣鉾を護持する地域社会は、かつては居住の場、消費の場、生産労働の場、余暇活動の場といった、生活のすべての場が重なっていた。しかし、現代社会においてはそれらは分離され、居住だけの場として地域社会が存在する傾向にある。

 地域社会は、それを構成する人たちによる自主的、自発的な活動によって、住みよい環境がつくられてきたが、少子高齢化の影響や、若者離れによって、維持継承が難しくなっているといわれている。しかし、進学や就職で故郷を離れる人は、農山漁村に限らず、以前から都市部でも一般的であり、地域の伝統文化の継承は、人口減少に悩む過疎地だけでなく、住民の出入りが激しい都市部でも、困難に直面している。それは、京都も例外ではない。

 東日本大震災における復興の過程では、ライフラインの復旧だけでなく、祭礼行事の復活が渇望され、生活が困難な中でも祭りがおこなわれてきた。それ以来、地域の伝統的な祭礼行事が地域の結集の象徴であることが、再評価されつつある。

 しかし、地域の特色ある伝統行事とは何か。まずそれについて学び、そして理解することで、間接的に応援する術を知り、さらには何らかの形で担い手として参加し、継承することにつなげることができる。京都の伝統文化のひとつとして、剣鉾のまつりを通じて、地域の共同体のあり方や、伝統的な慣習の継承について再考していただけたらと思う。

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なお、お席は30席程度用意していますが、満席の場合はお断りする場合もございます。なるべくお早い目にご予約をいただければ幸いに存じます。なお、古い京町家でですので、暖房をしていても不充分です。できるだけ暖かい服装でお越しください。

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