おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2018.04.04infomation

4月から6月初めの催しカレンダーを作りました

漸く桜の花が咲いたと思ったのも束の間、桜前線は駆け足で北上しています。なかなか長期的展望に立ったスケジュールが立てられないままのお恥ずかしい状況ですが、6月初めまでの催しカレンダーを作りました。春爛漫のピンク色です。それぞれにつきましては、改めて順次紹介させていただきます。

ここには載せていませんが、今は映画キャメラマン宮川一夫展をしています。

3月25日迄開催していた「生誕111年記念 市川右太衛門展」の時に、美しい手描きのポスターをご覧いただきましたが、それを描かれたのが岐阜県瑞浪市にお住いの元映画看板絵師高木紀彦さん(78歳)でした。3月21日に展示の様子を見に来られた時に、宮川先生が撮影された作品もないかとお尋ねしましたら、約50作品ありました。話がトントン拍子に進み「では、ニューヨークで特集上映される作品のポスターを中心にお貸しくださいませんか?」とお願いして、実現したものです。『無法松の一生』『羅生門』『雨月物語』『近松物語』『新平家物語』『赤線地帯』『夜の河』『朱雀門』『炎上』『浮草』『弁天小僧』『用心棒』『越前竹人形』『東京オリンピック』『刺青』『ある殺し屋』『第三の悪名』の17作品。

どれも上映時に映画館で飾られていたものではありませんが、高木さんが思うとおりに描かれたポスターです。31歳の時から休まず描き続けられています。来館のお礼にお渡しした尾上松之助生誕140年記念図録『日本映画最初の映画スター目玉の松ちゃん』を大変お喜びになり、早速彼のポスターを描いておられるそうです。これまでに描いた「目玉の松ちゃん」は200枚も‼「京都は映画を作っていたから身近すぎて『観に行こう』という気になる人が少ないのかもしれないが、東京は人も多いから、観に行く人も多いだろう。岐阜県でも珍しいから『ひとつ観に行って来よう』となるけれど、難しいね」と慰めてくださいました。高木さんや市川右太衛門コレクターの八木明夫さん、尾上松之助遺品保存会の松野吉孝さん、そしてその末席に連なる連れ合いもですが、「ちょっと変わっている」これらの人々の活動のおかげで、先人たちの記憶が継承されているのです。高木さんに「ご飯には結び付きませんが」と言いましたら、「ご飯粒ひとつにもならんけど」と返ってきて大笑いしました。今回の宮川一夫展も例外ではありません。折りに触れ先生の素晴らしい仕事を発信して行かなければならないと思いを新たにしています。展覧会は4月29日(日/祝日)迄。

お一人でも多くの方の記憶に残りますよう、お運びいただければ幸いに存じます。

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