おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2020.12.23infomation

弁士・片岡一郎コレクション展「活動写真弁史の世界展ー日本映画興行の始まり-」のご案内‼

賑やかなチラシを作りました。今年10月31日に『活動写真弁史 映画に魂を吹き込む人びと』が出版されたことを記念して、著者である現役活動写真弁士・片岡一郎さんにご協力頂き、「活動写真弁士の世界展-日本映画興行の始まり-」を開催します‼

活動写真弁士は、映画に音のない時代(無声映画)にあって、上映している内容を説明したり、登場人物になりきって台詞をしゃべる語りのプロを言います。現在では10人足らずで、絶滅危惧種といってもよいくらいですが、無声映画全盛期だった1920年代には全国で7500人も活躍していたそうです。

前掲『活動写真弁史 映画に魂を吹き込む人びと』の「はじめに」から引用すると、

……もちろん世界のあちこちで映画に音声を付けようと試行錯誤は当初から行われていた。幾多の音を巡る試みのなかで日本は独自の方法を発達させた。それこそ物言わぬ映像を、生身の演者が音声化する技芸、「活動写真弁士」だ。映画が音声を持たないなら人間が直接言葉を発してしまえばよいではないか-という技術よりも人力で問題の解決を求めるあたりに、今も昔も変わらない日本人の気質が見え隠れする活動写真弁士システムは、結果として世界に唯一の奇妙な、しかし興味深い文化となった。……

近年、世界各国からこの日本独特の「活弁上映」が注目され、海外の大学で活弁を研究しておられる当団体正会員の先生もおられます。海外公演の要望も増えて、片岡さんはクロアチア、ドイツ、アメリカ、オーストラリア、ロシア、オランダ、デンマーク、中国など海外での公演経験が豊かです。

さて、この厚さ5センチもある大著には、詳細な弁士名鑑、人名索引、約200点の貴重な図版を収録しています。本の帯には「国際的に活躍する現役の活動弁士が執筆した初の通史。新発見の事実や資料を駆使して従来の映画史の欠落を埋め、時代に翻弄される群像を描く、天下無双の決定版」とあります。

この本に載った資料や、紙幅の関係で泣く泣く掲載を見送った資料、脱稿後に入手した資料、などを3期に分けて以下の日程で展示します(午前中は大阪芸大映像学科歴代学生映画を上映しますので、見学は正午からでお願いいたします)。

第1期(1月6~31日)=弁士の誕生と映画の発達

第2期(2月3~28日)=活動写真弁士の黄金時代

第3期(3月3~28日)=トーキー時代・生きていた弁士

せっかくなら、全てご覧頂きたく、3期ともご覧頂いた方には、当館オリジナルグッズの「底抜けドン助」5勺利き猪口1個をプレゼントします(半券を忘れずお持ちください)。

さて、期間中には1月17日、2月11日、3月28日の3つのイベントを計画していますが、今回は1月17日14時からの催しをご案内いたします。

最初に片岡さんの活弁と鳥飼りょうさんのピアノ演奏で、SF映画『ロストワールド』(1925年、アメリカ)を上映します。続いて、『活動弁士の映画史』(2019年12月13日、映画『カツベン!』劇場公開に合わせて出版)著者高槻真樹さんをお招きして、片岡さんとのトークイベントをします。資料を探して、そこからどうやって情報を引き出すのか、その苦労と面白さについてお二人に語って貰います。

コロナウイルス感染拡大が懸念されます。従来より定員を25名と少なめにして、消毒、換気にも気を付けながら実施します。当然のことですがマスク着用で検温にもご協力をお願いいたします。隙間が多い建物ゆえ、風邪をひかないようできるだけ暖かい服装でお越し下さい。

なお、この展覧会は、京都市内博物館施設連絡協議会(京博連)主催第25回京都ミュージアムロード(開催期間は1月27日~3月21日)の参加企画です。京博連発行の専用パンフレットに入館印を押し、それを3館分集めて応募すればミュージアムグッズが抽選で貰えます。こちらも、ぜひお楽しみいただけたらと思います。

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