おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2022.09.27infomation

山村浩二・東京藝大大学院教授をお招きしての講演会‼

夢のような講演会が実現します‼

10月29日(土)に、日本が世界に誇るアニメーション作家で絵本作家でもある東京藝術大学大学院教授の山村浩二先生をお招きしてお話をしていただきます。

初の長編アニメーション『幾多の北』が、今年6月のアヌシー国際アニメーション映画祭で「コントルシャン部門賞」(挑戦的、実験的な作品対象)を受賞し、9月25日には第46回オタワ国際アニメーション映画祭で長編部門グランプリに輝いたばかり。広島(2020年まで)、フランスのアヌシー、クロアチアのザグレブ、そしてカナダのオタワは世界四大アニメーション映画祭として有名で、その映画祭での受賞は本当に素晴らしいことです。

すでに2003年のアヌシーと2004年のザグレブと広島で短編アニメーションの『頭山』がグランプリを受賞し、『カフカ 田舎医者』で2007年のオタワと2008年広島でもグランプリを獲得されています。チラシにも載っていますが、映画祭での受賞は130を超えるご活躍ぶりです。

『頭山』は『高校美術』と『高校生の美術1』(いずれも日本文教出版)にも載っていて、広く知られていますし、YouTubeでも見ることができます。ちなみに右ページを執筆されたのが明治大学特任講師でメディア・アーティストの橋本典久さんで、山村先生9月8日付けFacebookの記事で知って連絡を取り、橋本さんから送って頂きました。講演会の時に二冊とも展示しますね。

6月20日付けと9月26日付け京都新聞によれば、『幾多の北』は東日本大震災後に感じた不安や苦悩を独特なアニメーションと断片的な警句に前衛的ジャズを合わせて描いた作品だそうです。この作品が世界中で注目され、さらに今年から始まった「ひろしまアニメーションシーズン」の要職もされてお忙しい中でしたが、ダメもとで面高さやか助教のお力添えで4月初めにお声がけしたところ、講演を快諾して下さいました‼

講演のタイトルは「スタレヴィッチとショヴォー『狐物語』の動物寓話」です。なぜ、『狐物語』かというと、手元にDVD『狐物語』があったからです。それはラディスラフ・スタレヴィッチの初めての長編人形アニメーションで、大変よくできていて面白いのですが、全編フランス語でした。もう少しアニメーションの背景が分からないかと思って、レオポルド・ショヴォー編・画『狐物語』(福音館書店)を買いました。

この本の一番最後に載っていたのが、山村浩二先生の文章『レオポルド・ショヴォーの視点と、伝承される物語』だったのです。幸いにも先生とのやり取りで、パリのスタレヴィッチ監督のアトリエを訪問し、このアニメーションで使われていた人形を実際にご覧になったことが分かりました。「これはもう山村先生にお話をしてもらうしかない」と思い、厚かましくもお願いした次第です。幸いにも、ミュージアムで知り合ったフランス在住のオリアン・シードルさんとソルボンヌ大学の岡村弦太さんに協力を仰いで、日本語翻訳に初挑戦して頂きました。もはや使われなくなった古語のような言葉もあり、歌の歌詞も聞き取れず難儀したそうですが、大変分かりやすくなりましたので、彼らの努力に敬意を表して参考上映します。

振り返れば2016年4月16日「無声映画の昼べ」で、活動写真弁士の坂本頼光さんによるサプライズ上映で『カメラマンの復讐』(1912年)を見せて貰ったのが、私がスタレヴィッチ監督(1882年8月8日ー1965年2月26日)の作品と出会った最初。続いて2018年2月12日に佐野明子先生(現同志社大学准教授)をお招きしての講演「L.スタレビッチの日本における受容」と『魔法の時計』(1928年)を参考上映しました。この時は無理難題を申して坂本頼光さん書下ろし活弁初披露でした。ちょっと難しい作品だったと思います。

こうした優れたアニメーション作品を世に出したラディスラフ・スタレヴィッチ監督の作品をこれからも長く記憶にとどめて頂く一助になればと考えて、10月27日「ユネスコの世界視聴覚遺産の日」に合わせて企画しました。山村先生のご講演と併せてお楽しみいただければ幸いに存じます。

定員は25名で予約優先。参加費は2000円(入館料込み)です。すでにアニメーション研究者やアニメーション作家の方からの申し込みが相次いでいます。ご希望の方はお早い目にどうぞ。

 

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